堺雅人「Ｄｒ.倫太郎」で相変わらずの高評価もカギはストーリー展開

「Ｄｒ．倫太郎」に主演し、精神科医に扮する堺雅人（Ｃ）日本テレビ

　１５日にスタートした堺雅人主演のドラマ「Ｄｒ.倫太郎」（日本テレビ）。「半沢直樹」(ＴＢＳ)や「リーガルハイ」(フジテレビ)と、ヒットを連発する堺雅人（４１）主演の最新作という話題に加え、米倉涼子主演の大人気シリーズ「ドクターＸ」(テレビ朝日)や、ＮＨＫの朝ドラ「花子とアン」を手掛けた中園ミホ氏が脚本を担当するという、ヒットメーカー同士の作品とあって、放送前から大きな注目を集めた。第２話まで進み、堺の評価は上々。今後のカギを握るのがストーリー展開といえそうだ。

　初回視聴率は１３・９％、第２話が１３・２％（いずれもビデオリサーチ調べ、関東地区）で推移。視聴者の満足度という点で見ると、堺への高い評価が目立つ。

　データニュース社（東京）がなっているテレビ視聴アンケート「テレビウォッチャー」（対象３０００人）によると、「Ｄｒ.倫太郎」の初回満足度は３・８（５段階評価）。まだスタートしていないドラマもあるが、この春のクールの初回満足度で唯一、高満足度の指標である３・８を超える評価を得た。

　過去のテレビウォッチャーのデータを見てみると、堺が主演したドラマの平均満足度は４・０６（「大奥～誕生」・「リーガルハイ」シリーズ・「半沢直樹」）と驚異的な数値。これは視聴率王・木村拓哉の３・７１（「ＰＲＩＣＥＬＥＳＳ」・「安堂ロイド」・「ＨＥＲＯ」）や、視聴率女王・米倉涼子の３・９２（「ドクターＸ」シリーズ・「３５歳の高校生」）、また“新”視聴率女王といわれる杏の３・８７（「幽かな彼女」・「花咲舞が黙ってない」・「デート」）も上回る数値。唯一平均満足度４ポイントを超える、満足度ナンバー１俳優だ。

　「Ｄｒ.倫太郎」の視聴者の感想からは「堺雅人が出るので見たが、ストーリーもいいし、笑いがあるのも良かった」（６０歳・女性）、「堺さんに引き込まれた」（３２歳・女性）、「今回は癒し系の堺雅人が見られてこれも味わい深い」（５３歳・女性）、「堺雅人さんがハマり役」（６８歳・女性）、「堺雅人は裏切らない」（５６歳・男性）など、女性を中心に堺を評価する回答が多数寄せられ、俳優・堺雅人の魅力がドラマの高満足度に大きく貢献しているということは明らかなようだ。

　ただ、第２話では、満足度が３・４９とダウン。視聴者からは「想像してたものと違った」（２９歳・女性）、「意外にコメディー要素が強い」（３３歳・女性）、「もっと倫太郎にしっかりしてほしい」。（３９歳・女性）など、堺の演技というよりストーリー展開や設定に戸惑いの声も出てきた。

　「半沢直樹」や「リーガルハイ」がアクションの大きい“動”の堺だとしたら、今回は精神科医という役柄や、映画的な美しい映像演出の効果で“静”の堺となっている。堺の演技そのものより、今後ストーリーがどのような展開をみせ、どう登場人物が描かれていくのか。視聴者を納得させる作品になるかどうか、分岐点がそこにありそうだ。