「天地人」原作者の火坂雅志さん死去 妻夫木&常盤が哀悼

[ 2015年2月28日 05:30 ]

 NHK大河ドラマの原作にもなった歴史小説「天地人」などで知られる作家の火坂雅志(ひさか・まさし、本名中川雅志=なかがわ・まさし)さんが26日午後5時10分、急性すい炎のため神奈川県伊勢原市の病院で死去した。58歳。新潟市出身。葬儀・告別式は近親者のみで行う。喪主は妻洋子(ようこ)さん。

 早稲田大卒業後、出版社勤務を経て、1988年にデビュー。織田信長の指南役だった禅僧を主人公にした「沢彦」、豊臣秀吉を支えた医師を描いた「全宗」など、知られざる人物に歴史小説で光を当てた。

 上杉家の家臣・直江兼続を主人公に据え、乱世に理想を貫こうとした人々を活写した「天地人」で中山義秀文学賞を受賞。同作はNHK大河ドラマの原作となりヒットした。

 真田一族の盛衰を通じて、「地方の誇り」を描いた「真田三代」が新聞連載され、反響を呼んだ。

 他に「黒衣の宰相」「軍師の門」「臥竜の天」「墨染の鎧」など。

 ▼妻夫木聡(「天地人」主演)火坂さんが描く「天地人」の中で、義とは何か、愛とは何か、人間が生きる上で向き合っていかなければいけないこと、人としてのあるべき姿について考えさせられました。「天地人」が終わった後も、僕の出演作を見てはメールをくださった火坂さん。本当に仁愛のあふれた優しい人でした。

 ▼常盤貴子(「天地人」出演)主人公直江兼続の妻お船の方を演じた際、火坂さんに何度もお会いして、兼続のことが全国に知られることを喜んでおられました。各地にはその土地を守り愛してきた人がいることをあらためて教えてくださいました。「まだ書きたいことがある」とおっしゃっていたので、本当に残念です。

続きを表示

2015年2月28日のニュース