ロック界に衝撃…AC/DCドラマー、2人の殺害を殺し屋に依頼

[ 2014年11月7日 05:30 ]

ニュージーランド・タウランガの裁判所を後にする「AC/DC」のドラマー、フィル・ラッド容疑者(AP)

 オーストラリアのハードロックバンド「AC/DC」のドラマー、フィル・ラッド容疑者(60)が6日、殺し屋に男性2人の殺害を依頼しようとした疑いで、ニュージーランドで逮捕、訴追された。ニュージーランド・ヘラルド紙(電子版)などが報じ、世界中のロックファンの間に衝撃が走った。

 ラッド容疑者には2人の殺人を殺し屋に依頼しようとし、このうち1人に対して9月に殺害を予告する内容の脅迫をした疑いがあるという。共同電によると、同容疑者は6日、地元裁判所に出廷、保釈金を払い、次回11月27日の期日まで保釈された。出廷した同容疑者ははだしで、一言も発することはなかったという。

 地元警察は6日、ニュージーランド・タウランガにある自宅を捜索し、同容疑者を連行した。ほかに覚せい剤や大麻の所持をした疑いがもたれている。ロイター電によると、2010年には大麻所持で有罪となり、罰金が科されていた。

 70年代からロック界の第一線を走り続けるAC/DCは、来月に6年ぶりの新アルバムを出す予定だった。しかし、10月に行われたミュージックビデオの撮影にラッド容疑者は参加せず、ボーカルのブライアン・ジョンソン(67)は「(ラッド容疑者は)家族の用事で参加できない」と説明していた。来年には世界ツアーを行うと発表していたが、先月に主要メンバーでギタリストのマルコム・ヤング(61)が、認知症のためにバンドからの脱退を発表。ツアーは代役に、おいのスティーヴィー・ヤングが同行予定だった。ラッド容疑者の逮捕でどうなるか注目が集まる。

 AC/DCは、5人編成で1973年にオーストラリアで結成。同容疑者は75年に加入し、83年にバンドを脱退。ニュージーランドに移り住み、94年に復帰した。80年にバンドが発売した「バック・イン・ブラック」は総売り上げが4900万枚を超え、世界で3番目に売れたアルバムである。来季から中日の投手コーチを務める大塚晶文氏(42)はレンジャーズ在籍時、登板時の入場曲に同アルバム収録曲「地獄の鐘の音」を使用していた。

 【逮捕歴のある有名ミュージシャン】

 ▼ミック・ジャガー(71) ローリング・ストーンズのボーカル。1967年に大麻不法所持で逮捕。そのため73年に予定されていた初来日公演がキャンセル。

 ▼オジー・オズボーン(65) ブラック・サバスのボーカル。90年に妻シャロンと口論になったことで首を絞め、殺人未遂で逮捕。不起訴となりすぐに釈放されるも、薬物中毒更生施設へ入所。

 ▼リアム・ギャラガー(42) 09年に解散したオアシスのボーカル。94年にカミソリを万引したとして逮捕。96年にはコカイン所持の現行犯で逮捕されるなど、少なくとも5回の逮捕歴がある。

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2014年11月7日のニュース