柳美里さん原稿料未払い 出版社謝罪「主張は正当、申し訳ない」

[ 2014年10月17日 15:11 ]

柳美里さん=2004年撮影

 月刊「創」(創出版)の篠田博之編集長が17日、同誌の公式ブログを更新。2007年8月から連載し、休載になったエッセー「今日のできごと」の原稿料未払いを訴えた芥川賞作家の柳美里さん(46)に謝罪した。

 篠田編集長は「柳さんの主張は正当です。『創』はこの何年か、赤字が累積して厳しい状況が続き、制作費がまかなえなくなっています。その雑誌の赤字を個人で補填してきたわけですが、私はもともと会社からは報酬を得ていないので、補填するにも限界があり、いろいろな人に迷惑をかけるようになってしまいました」と説明。

 「もう何年も稿料が支払われていない」という柳さんは「先月、意を決して『稿料未払い分を計算して、振り込んでください。全額振り込まれるまで、次の原稿を書くことはできません』」と篠田編集長にメールしたことを15日、自身のブログで明らかに。「筆者に稿料を支払うことは(中略)労働の対価を支払うことです」と主張した。

 篠田編集長は「9月締切の号で柳さんなりに考えがあったようでした。そういう事情についても私が対応できずにいたことは本当に申し訳ないと思っています。プロの書き手として柳さんが言われていることは当然のことで、異論の余地はありません。早急に話し合いをし、対処したいと考えています。柳さん自身が書いているように、貴重な執筆の時間を妨げたことも申し訳ないと思っています」と謝罪した。

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2014年10月17日のニュース