宮崎駿監督に名誉賞 米アカデミー理事会 黒沢監督以来

[ 2014年8月29日 06:46 ]

 米アカデミー賞を主宰する映画芸術科学アカデミーは28日、卓越した業績を残した世界の映画人に贈られる名誉賞を日本のアニメ映画監督宮崎駿氏(73)らに授与すると発表した。

 日本人監督の受賞は1990年の故黒沢明監督以来2人目。授賞式は11月8日にロサンゼルスのハリウッドで行われる。

 宮崎氏は受賞決定について「リタイアした人間に賞なんかいらないと本当は思うが光栄」とのコメントを発表した。

 アカデミーは宮崎監督について「千と千尋の神隠し」で2003年にアカデミー賞長編アニメ賞を獲得したほか「ハウルの動く城」「風立ちぬ」で同賞にノミネートされた経歴を紹介。

 90年代後半に「もののけ姫」で世界的に有名になる前から、「天空の城ラピュタ」や「となりのトトロ」などの作品が日本で絶大な支持を受けていたとして、長年の功績をたたえた。

 宮崎氏のほかに、フランスの脚本家ジャンクロード・カリエール氏とアイルランド出身の女優モーリン・オハラさんにも名誉賞が授与される。

 監督では過去にポーランドの巨匠アンジェイ・ワイダ氏やスイスのジャンリュック・ゴダール氏が、俳優では故チャールズ・チャプリン氏やロバート・レッドフォード氏が名誉賞を受賞した。

 名誉賞とは別に人道分野で功績があった映画関係者をたたえる「ジーン・ハーショルト人道賞」受賞者も発表され、米俳優で社会活動家のハリー・ベラフォンテ氏が選ばれた。昨年は女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが同人道賞を受賞した。

 ◆宮崎 駿(みやざき・はやお)41年東京生まれ。79年「ルパン三世 カリオストロの城」で劇場映画監督デビュー。「千と千尋の神隠し」で、ベルリン国際映画祭金熊賞や米アカデミー賞長編アニメ賞などを受賞。文化功労者。ほかの主な作品に「風の谷のナウシカ」「となりのトトロ」など。13年9月、「風立ちぬ」を最後に引退すると表明。(共同)

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