文枝 東京に69年ぶり上方落語の定席 若手育成の場に

[ 2014年5月16日 05:30 ]

「戀する落語会」発表会見で「いらっしゃ~い」のポーズをとる(左から)桂三語、桂三度、桂文枝、桂三四郎、桂三輝

 落語家の桂文枝(70)が15日、東京・神田神保町の劇場「神保町花月」で会見し、若手落語家育成のための「戀(こい)する落語会」をプロデュースすると発表した。6月8日から毎月1回、同劇場で若手1人が落語を披露するかたちで開催する。

 3月に1年8カ月に及ぶ襲名披露公演を終え、「これからやるべきことを考え、若い人が育たないと落語の未来はないと思った。僕らが若い時は“(先代の文枝ら)四天王”が僕たちを支えてくれた。今度は僕の番」と思いを説明。上方落語協会の会長も務めており、「落語を知って好きになっていただきたい」と、東京での上方落語ファンの獲得にも意欲を燃やしている。

 神田神保町は、文枝らが所属する吉本興業が1922年に東京に進出し、寄席「神田花月」を開場したゆかりの地。45年に空襲で焼失し、07年に同じ地区に神保町花月をオープンさせた。普段は演劇公演が中心だが、今後は月1回とはいえ落語会を開催し、上方落語の拠点としていく方針。69年ぶりに東京に上方落語の“定席”ができることになる。

 初回は、11年にお笑い芸人から転身した「世界のナベアツ」こと桂三度(44)が登場。文枝は「東京のお客さんにもなじみがある。三度でこけたら次がないので、1番バッターとして何とか塁に出てほしい」と激励。会見に同席した三度は「内野安打で」と手堅く“出塁”することを宣言した。一門以外の若手も出演する予定で、文枝は「私も出られる限り出る」と意気込んだ。

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2014年5月16日のニュース