21世紀 ヒットドラマを振り返る【後編】

[ 2014年1月2日 07:04 ]

 2008年は、宮崎あおい(28)主演の「NHK大河ドラマ・篤姫」が物語終盤の第48回に記録した29・2%が年間トップ。それに、木村拓哉(41)が内閣総理大臣役を熱演した「CHANGE」(フジテレビ)が最終回で獲得した27・4%が続いた。3位には、「ごくせん」の第3シリーズがシリーズ人気も手伝って初回で記録した26・4%。生徒役では、三浦春馬(23)、「Hey!Say!JUMP」の高木雄也(23)、三浦翔平(25)らが出演した。

 2009年は、大沢たかお(45)主演の「日曜劇場・JIN-仁-」(TBS)の第1シリーズが最終回で25・3%を記録し、大ヒットした。幕末の江戸へタイムスリップした大沢演じる脳外科医・南方仁が人々の命を救いながらも、歴史の渦に巻き込まれていく物語。仁を公私ともに支えるヒロインを演じた綾瀬はるか(28)、坂本龍馬を演じた内野聖陽(45)などの好演も話題となった。脳科学者を演じた木村拓哉主演の「MR.BRAIN」(TBS)は初回で24・8%を記録して2位。綾瀬はるかは本作でもヒロインを演じた。“特別犯罪対策室”に所属する刑事たちの活躍を描いた天海祐希(46)主演の刑事ドラマ「BOSS」(フジテレビ)の第1シーズンが最終回で20・7%を記録し、3位と続いた。

 2010年は、福山雅治(44)が坂本龍馬を熱演した「NHK大河ドラマ・竜馬伝」が第5話で記録した24・4%が年間トップ。2位には松下奈緒(28)と向井理(31)が夫婦役を演じた「NHK連続テレビ小説・ゲゲゲの女房」が最終回23・6%でランクイン。民放では、木村拓哉主演の「月の恋人~Moon Lovers~」(フジテレビ)が初回22・4%でトップ。共演には篠原涼子、 北川景子(27)、台湾の人気女優・林志玲(39)、松田翔太(28)らの顔があった。

 2011年は、最後の最後でドラマファンを沸かせた。この年はもちろん、最終回で40%という驚異の数字を叩き出した松嶋菜々子(40)主演の「家政婦のミタ」がトップ。松嶋演じる“笑わない・媚びない・色気もない”家政婦の三田灯が家事を通じてさまざまな家庭の問題を解決していくホームドラマ。「承知しました」「業務命令ですか?」などの劇中のセリフが流行語にもなり、回を追うごとに数字を上げ、最終回で前回から11・4ポイントも急上昇し、一気に40%の大台を超えた。

 そして、この年の前半にドラマ界を盛り上げたのはともに4月クールの日曜午後9時に放送された2本のドラマだった。「日曜劇場・JIN-仁-」の完結編となる第2シリーズと、阿部サダヲ(43)と人気子役の芦田愛菜(9)がダブル主演した「マルモのおきて」(フジテレビ)がそれだ。「JIN」は2年ぶりの新作にして完結編。人気作の続編とあって最終回で26・1%を記録し、全話平均でも21・2%を記録し、安定した人気を獲得。一方、「マルモ―」は初回11・6%で低調なスタートを切るも、右肩上がりで視聴率を上げていき、最終回では23・9%を記録し、年間3位となった。芦田と双子の弟を演じた鈴木福(9)が役名の「薫と友樹、たまにムック。」名義で歌う主題歌「マル・マル・モリ・モリ!」はオリコン初登場3位を記録するなど、大ヒット。一大ブームに巻き起こしたことも記憶に新しいところだろう。

 2012年は、NHKの朝ドラが強かった。年間1位、2位を朝ドラが占めたのだ。トップは2011年後期の朝ドラとして放送された尾野真千子(32)主演の「カーネーション」が第102話に記録した25・0%。2位はその次の朝ドラ、堀北真希(25)主演の「梅ちゃん先生」が第114話に記録した24・9%。両者はわずか0・1ポイントの差だが、最高視聴率はいずれも物語中盤の回で記録された。民放では、米倉涼子(38)主演で破天荒なフリーランスの女医の活躍を描いた「ドクターX~外科医・大門未知子~」(テレビ朝日)の第1シリーズが最終回で24・4%を記録しトップ。「私、失敗しないので」「御意」などのセリフも人気となった。

 そして、2013年。堺雅人(40)主演の「半沢直樹」は初回19・4%から数字も評価もうなぎ上りで、最終回で42・2%という脅威的な数字を叩き出し、今世紀の連続ドラマで最高の数字となった。ドラマだけでなく、原作本も大ヒットし、主人公・半沢の決めゼリフ「倍返し」は新語・流行語大賞2013の年間大賞に輝いた。2位と3位はまたまたNHKの朝ドラが連続でランクイン。2位は現在放送中の杏(27)主演の「ごちそうさん」第15話の27・3%。こちらはやっと後半に入ったばかりのため、さらに数字を伸ばす可能性も大いにある。3位は「じぇじぇじぇ」が「倍返し」とともに新語・流行語大賞の年間大賞に選ばれた能年玲奈(20)主演の「あまちゃん」が第145話で記録した27・0%。

 13年間のヒットドラマをざっと見てきたが、やはり木村拓哉主演作品の強さは絶大だ。特に、今世紀前半は毎年のようにトップ3に木村拓哉主演作が並んでいる。そして、一時は30%超えなど大ヒットと呼ばれる作品が出ていない時期もあったが、ここ数年、その流れが変わってきているようにも感じる。今年はテレビ復権、ドラマ復権と叫ばれた1年。来年以降も視聴者の心をつかむ大ヒット作が生まれてくることを願ってやまない。(数字はすべて関東地区、ビデオリサーチ調べ)

続きを表示

2014年1月2日のニュース