21世紀 ヒットドラマを振り返る【前編】

[ 2014年1月2日 07:02 ]

 2013年のドラマ界は実に賑やか話題の多い1年だった。TBSの「半沢直樹」が今世紀最高視聴率を記録すれば、次のクールで同じくTBSの「夫のカノジョ」が今世紀最低視聴率を記録するという展開に。今世紀に入って13年が経過した。プライム帯(午後7時台から同10時台)で考えると、1クールで約10数本の連続ドラマが制作され、年間で50本以上が放送される。この13年の間に、単純計算でも650本以上が誕生したことになる。年代によって、ヒット作の傾向や視聴率の動向も変わってくるもの。ここで、この13年のヒットドラマを振り返ってみよう。

 2001年は年初から大ヒットドラマが生まれている。「SMAP」の木村拓哉(41)主演でのちに映画化もされた「HERO」(フジテレビ)だ。木村演じる型破りな検事・久利生公平が松たか子(36)演じる堅物な事務官・雨宮舞子とともに、事件の真相を迫っていく検事ドラマ。全話で30%を超える大ヒットとなった。最高視聴率は第8話と最終回で36・8%にまで達した。また、この年はシリーズ4まで制作されたNHK連続テレビ小説「ちゅらさん」が誕生した年でもあった。第140話に29・3%を記録し、2位に。

 2002年は、明石家さんま(58)と木村拓哉がダブル主演した月9「空から降る一億の星」(フジテレビ)が最終回で記録した27・0%が年間最高で、30%を超える作品が1本も出なかったのも特徴的だ。また、仲間由紀恵(34)の出世作の1つとなった「ごくせん」シリーズが生まれたのもこの年。生徒役では「嵐」の松本潤(30)、小栗旬(31)、松山ケンイチ(28)、成宮寛貴(31)らが出演。初回で23・5%を獲得し、年間3位にランクインした。

 2003年もまた木村拓哉主演ドラマがトップ。TBSの「日曜劇場・GOOD LUCK!!」は木村演じる若手パイロット・新海元を中心に恋愛と仕事に生きる人達を描く青春ドラマで、相手役には整備士役の柴咲コウ(32)が抜てきされ、すべての回で27%を超え、最終回には37・6%を獲得した。

 2004年は、フジテレビ開局45周年記念ドラマとして制作された「木曜劇場・白い巨塔」がトップを獲得した。大学病院の闇を描いた山崎豊子氏(享年88)の同名小説が原作で、これが4度目のテレビドラマ化。2クールという長丁場の放送となったが、唐沢寿明(50)が主人公の外科医・財前五郎を演じ、最終回では32・1%を記録し、1978年に放送された田宮二郎版の最終回31・4%を上回り、有終の美を飾った。この年も木村拓哉主演作「プライド」(フジテレビ)が32・5%で2位に入っている。3位は同じく「SMAP」の草なぎ剛(39)主演の「僕と彼女と彼女の生きる道」の最終回の27・1%だった。

 2005年では、「ごくせん」第2シリーズが最終回でシリーズ最高の32・5%を記録し、年間トップを獲得した。生徒役には、「KAT-TUN」の亀梨和也(27)、赤西仁(29)、速水もこみち(29)、小出恵介(29) 、小池徹平(27)といった現在も第一線で活躍する若手俳優たちが集結した。2ちゃんねるの書き込みがきっかけで大ブームとなった恋愛ストーリー「木曜劇場・電車男」(フジテレビ)の初回が25・5%で2位、木村拓哉主演の月9「エンジン」の初回、天海祐希(46)主演の「女王の教室」(日本テレビ)最終回が25・3%で3位と続き、バラエティーに富んだラインアップに。

 2006年は、年初の記録がそのまま年間トップとなった。「SMAP」の香取慎吾(36)が孫悟空、深津絵里(40)が三蔵法師を演じた月9「西遊記」は初回で29・2%を記録するロケットスタート。最終話まですべて20%超えの大ヒットとなった。離島医療を描いた人気医療ドラマの第2シリーズ「木曜劇場・Dr.コトー診療所2006」(フジテレビ)の最終回が25・9%で2位に入っている。

 2007年では、1月クールに放送された木村拓哉主演の「日曜劇場・華麗なる一族」(TBS)が最終回で30・4%を記録し、そのまま年間トップとなった。これ以降、4年半もの間、30%超えの作品は出ていない。山崎豊子氏の同名小説が原作で、TBS開局55周年記念番組として制作された。視聴率も伸ばし、すべての回で20%を超えた。「嵐」の松本潤(30)主演で映画化もされた「金曜ドラマ・花より男子2」(TBS)が最終回シリーズ最高の27・6%を記録して2位に。また、3位には、篠原涼子がスーパー派遣社員を演じ、ブームとなった「ハケンの品格」(日本テレビ)が最終回26・0%で3位に入っている。(数字はすべて関東地区、ビデオリサーチ調べ)

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2014年1月2日のニュース