中村福助 脳内出血だった…筋力低下、1月舞台も休演

[ 2013年12月7日 05:30 ]

「脳内出血による筋力低下」で長期療養する中村福助

 来年3月に女形の大名跡、中村歌右衛門を襲名する歌舞伎俳優の中村福助(53)が「脳内出血による筋力低下」との診断を受けて療養していることが6日、分かった。松竹がファクスで発表した。福助は、11月の東京・歌舞伎座公演を「体調不良」を理由に途中休演していた。出演予定だった来年1月の歌舞伎座公演「壽初春大歌舞伎」(1月2~26日)の休演も発表された。

 福助は今年11月12日、歌舞伎座での「吉例顔見世大歌舞伎 仮名手本忠臣蔵」の公演後、めまいを訴え、都内の病院で検査を受けた。その際、血圧がかなり高かったためそのまま入院。同公演の休演(13~25日)を発表していた。「脳内出血による筋力低下」との診断を受けたことで療養は長期間に及ぶことになるが、関係者によると現在、回復に向け、リハビリに励んでいるという。

 11月の休演の際、所属事務所は「この夏ごろから疲れがたまっている様子だった。体調を万全にして、大きな舞台に臨ませたい。ご迷惑をおかけすることになりますが、しばらくは静養させていただくことになると思います」と説明していた。

 今年9月には、13年ぶりに復活する女形の大名跡・七代目中村歌右衛門を来年襲名することが決定。来年3、4月の歌舞伎座での「三月大歌舞伎」「四月大歌舞伎」が襲名公演として予定されているが、この公演については主治医と相談の上、出演の可否を決めるとしている。

 歌舞伎座によると、チケット発売は通常、公演の前月中旬だが、大名跡の襲名公演の場合は2カ月前の中旬。関係者によると、12月中にポスター撮影や襲名公演の取材対応を控え、来年2月には、関係各所へのあいさつ回りなどを予定していたが、そのメドも立っていないという。

 休演する1月歌舞伎座公演は「梶原平三誉石切」「仮名手本忠臣蔵 九段目」など4演目に出演予定だった。代役は市川高麗蔵(56)、中村魁春(65)、中村扇雀(52)、片岡孝太郎(45)がそれぞれ務める。

 昨年12月に中村勘三郎さん、今年2月には市川団十郎さんが亡くなった歌舞伎界。9月以降は幹部俳優の体調に関するトラブルが相次いでおり、ファン、関係者を心配させる事態が続いている。

 ▽脳内出血 脳内の細かい動脈が破れて出血する疾患。出血した血液が血腫をつくるなどして、脳細胞や神経細胞を圧迫することで意識障害、運動まひなどの脳障害が起きる。軽症の場合は投薬治療もあるが、重症だと開頭手術で血腫を除去する必要がある。50~70代の男性に多く、最大の原因は高血圧とされ、後遺症が出るケースが多い。

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2013年12月7日のニュース