尾崎豊さん、たった一度のTV出演映像“解禁” 88年「夜ヒット」

[ 2013年10月25日 07:55 ]

88年6月22日に放送されたフジテレビ「夜のヒットスタジオデラックス」で熱唱する尾崎豊さん

 92年4月に急死した歌手尾崎豊さん(享年26)の生前唯一のテレビ出演映像が初めて商品化される。番組は88年6月22日に生放送されたフジテレビ「夜のヒットスタジオデラックス」。同年の東京ドーム公演をCD化した「LIVE CORE LIMITED VERSION」(11月27日発売)の特典DVDに収録される。

 87年12月に覚せい剤取締法違反で逮捕、起訴され、翌年2月に懲役1年6月、執行猶予3年の有罪判決を受けた。その4カ月後に初めて人前に姿を見せたのが「夜ヒット」だった。司会の古舘伊知郎(58)、柴俊夫(66)に紹介され、張り詰めた表情で「ご心配をお掛けしました」と謝罪。そして歌ったのが、出演前日に発売された復帰作「太陽の破片」。番組側が特別に用意したフルサイズ6分の歌唱、演奏で再出発した。

 尾崎さんのプロデューサーだった須藤晃氏(61)によると「自分の発言に非常に敏感だった」と説明。“テレビ向き”の性格ではなかったが、スタッフ陣が復活のタイミングを模索する中で(1)当時もっとも人気のあった歌番組(2)幅広い層に復活を見てほしかった、との理由から番組側へ打診。この映像がテレビで再び使われたことはなく、今年はデビュー30周年の節目だったことで“蔵出し”が決まった。

 ベスト盤「ALL TIME BEST」も同時発売。アルバム「十七歳の地図」でのデビューから丸30年を迎える12月1日には、WOWOWで特番が放送される。

 ▽夜のヒットスタジオ 1968年(昭43)11月4日から90年(平2)10月3日まで1131回放送。出演アーティストは約1000組、紹介された曲は約1万3000曲。フランク・シナトラ、マドンナらも出演。歴代司会者は芳村真理、前田武彦、井上順、加賀まりこら。生放送、生演奏にこだわり、現在の音楽番組の礎を築いた。

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