「夢であいましょう」永六輔さん宅に大量台本

[ 2013年4月20日 06:00 ]

打ち合わせをする永六輔さん(左)と中村八大さん

 坂本九さんの「上を向いて歩こう」などのヒット曲を生んだ1960年代のバラエティー番組「夢であいましょう」(NHK)の台本が、構成を担当した放送タレント永六輔さん(80)の東京都内の自宅に大量に保管されていたことが19日、分かった。

 日本のテレビ放送の黎明(れいめい)期を代表するバラエティー番組で、日本テレビ「シャボン玉ホリデー」とともに絶大な支持を獲得。人気を集めた「今月のうた」コーナーは、永さんと作曲家の故中村八大さんのコンビを中心に新曲が発表され「上を向いて歩こう」のほか、梓みちよ「こんにちは赤ちゃん」、ジェリー藤尾「遠くへ行きたい」などの大ヒット曲が誕生。坂本さんら歌手がコントに挑戦したり、逆に当時コメディアンだった渥美清さんらが歌唱を披露する企画は、のちのバラエティー番組づくりに多大な影響を残した。

 生放送だった同番組の映像は10数回分が現存するだけで、台本もほとんど残っておらず、国民的人気を誇った番組の内容を知ることができる貴重な資料。20日から東京都の世田谷文学館で始まる「上を向いて歩こう展」で展示される。

 見つかったのは61~65年に放送された205回分のガリ版刷り台本。「今月のうた」の歌詞やコントのせりふのほか、永さんが書き込んだ「他の誰とも違う魅力をもつあなたを見せて下さい」などと出演者を叱咤(しった)激励するメッセージも。同館の中垣理子主任学芸員は「生放送ならではの現場の緊張感が伝わってくる」と話している。

 当時、台本は放送後に廃棄されることが多く、ビデオも普及していなかった。永さんは「思い入れのある番組だったので記念に残そうと思った」と話している。

 ◆夢であいましょう 1961年(昭36)4月から66年4月まで放送。回ごとに決められたテーマに沿ったショートコントで進行し、合間に踊りや歌唱、ジャズ演奏などが流された。レギュラー陣には黒柳徹子(79)、岡田真澄さん、三木のり平さんもいた。「日本の文化を紹介する番組」として、64年からスウェーデン国営放送で数回にわたって放送されたことがある。

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2013年4月20日のニュース