加瀬亮「苦しかった」キレる、吠える、殴るへの初挑戦

[ 2013年1月18日 06:00 ]

男優助演賞を受賞した加瀬亮

2012年毎日映画コンクール 男優助演賞

 北野武監督(65)がメガホンを取った「アウトレイジ ビヨンド」で極悪ヤクザを演じた加瀬亮(38)が男優助演賞に輝いた。「監督と衣装さんとメークさんが9割方作ってくれた役。僕はその上に乗っただけなんです」。謙遜する穏やかな口調。それとかけ離れたブチギレる演技が、見る者に強烈な印象を残した。

 関東最大の暴力団で若くして出世した若頭。前作では冷徹で何を考えているか分からない男だったのが一変、今作では怒鳴り散らすシーンが多く用意された。

 「果たして同一人物なのかという変わりよう。前作の冷徹なイメージを引きずっていたら、監督に“もっと怒鳴って”と言われた」

 キレる、ほえる、殴る――初めて挑む演技の連続に「苦しかった。居心地のいい現場ではなかった」と率直な思いを吐露。運転中にクラクションを鳴らされると車内で文句を言うなどして、凄む練習もしたという。そして出した答えは「“若頭の器じゃなかった”ということ。いっぱいいっぱいになっている自分と似ている。そう考えられるまで苦しみました」。

 過去の役と異なるキャラクターを演じたことで収穫はあった。「監督がイメージから自由にしてくれた。役者は仕事や人との出会いでしか成長できない。こういう巡り合わせを大切にしていきたい」。力を込めて決意を語った。

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