16年ぶり再結成プリプリ 復興支援ツアースタート

[ 2012年11月4日 06:00 ]

プリンセスプリンセスも仙台ライブ

 16年ぶりに再結成した人気女性ロックバンド「プリンセス プリンセス」が3日、仙台市の仙台サンプラザで全国ツアーをスタートさせた。東日本大震災の復興支援を目的にしたチャリティー公演。ボーカル岸谷香(45)は「昔の曲を昔のまんまやる」と、往年のヒット曲を次々に披露。96年5月31日の解散ライブからちょうど6000日。平均年齢47歳のプリプリが帰ってきた。

 96年の解散ツアーでも訪れた仙台サンプラザ。岸谷は客席を見渡し「私たちはこのように年を取りました。皆さんもそのように年を取りました」とあいさつし、観客は大ウケ。みんな年齢を重ね、体形もちょっぴり変わったが、メンバーは“あの頃のまま”を心掛けてステージに上がった。

 岸谷は当時をほうふつさせるミニスカのアイドル衣装。「見た目ヤバイ?ウチの娘に見られたらどうしよう」とおどけながらも「プリプリはこうでしょ!」と強調。ギターの中山加奈子(48)も、黒いアイシャドーを濃く塗った往年のメークで登場した。

 「M」「Diamonds」などのヒット曲を中心に20曲以上を披露。新曲はない。岸谷は「大好きなバンドが再結成した時に一番うれしいのは、昔の歌を昔のまま聴けることだと思う。アレンジを変えたり、うまそうに歌ってみたりって意外と残念じゃない。だから、昔の曲を昔のまんまやろうと決めた」と思いを説明。同世代の2400人のファンは、大好きだった曲に合わせて客席を跳びはねた。

 「みんな無事ですか?会えるときに会わなきゃね」。岸谷が昨年3月18日に送ったこのメールから始まった1年限定の復活劇。今では岸谷ら3人が子を持つ母親になり、ベースの渡辺敦子(48)は音楽専門学校の副校長とそれぞれの生活がある。1年半前から始めた練習は「午前10時に開始し、午後4時には撤収」(関係者)と仕事や家庭に影響が出ないようにやってきた。

 5人は今年4月、震災で甚大な被害を受けた宮城県名取市の閖上地区などを訪れ、心をひとつにした。感じたことはたくさんあったはず。それでも岸谷は「きょうは楽しい話ばかりします」と震災について多くは触れなかった。「きょうこの場所でみんなと再会できてうれしい。プリプリの音楽を好きでいてくれてありがとう」。純粋に音楽を被災地に届けた。

 ツアーは4日も同所で行い、20、21、23、24日の東京・日本武道館公演、来月23、24日の初の東京ドーム公演まで続く。チケット、グッズの収益全額を寄付する。

続きを表示

この記事のフォト

2012年11月4日のニュース