デーモン閣下提案 母校早大に「相撲愛好会」発足

[ 2012年6月18日 09:14 ]

東伏見キャンパスの相撲場で愛好会の面々と話し合う早大相撲部の室伏監督(左から2人目)

 部員不足に悩む早稲田大学(東京都新宿区)相撲部を再建しようと、ロック歌手で早大OBの好角家、デーモン閣下の提案で「相撲愛好会」が発足した。

 約1カ月で7人が入会。うち1人は今月、学生選手権に出場、東京・両国国技館で1勝を挙げた。相撲部は部員が3人だけで、団体戦に出場するため他の運動部から助っ人を借りている状況。存続が“土俵際”に立たされる中、今後の行方が注目される。

 まわしを締めるのもひと苦労の7人の中で、キラリと才能を輝かせている会員がいる。文化構想学部1年の植松健伍さん(18)だ。身長1メートル70、体重75キロと力士としては小柄だが、高校時代にラグビー部で鍛えた体幹と足腰の強さを相撲部の室伏渉監督(40)も高評価。試しに東日本学生相撲連盟に会員登録し、今月3日の東日本学生選手権の個人戦に出場してみると、1回戦で日本医科大の相撲部員を相手に“金星”を挙げたのだ。

 植松さんは4月、部が一般学生を対象に開催した相撲大会「早稲田杯」に出場。審判長として参加した「デーモン閣下に会いたい」との理由で参加したが、いざ土俵に立ってみると、参加8人中で2位に。「すり足とか独特の動きがあって奥深かった」と相撲の魅力に引かれた。

 大会終了後、ちゃんこ鍋を囲む席で、デーモンが植松さんら参加者に「相撲に定期的に親しむために同好会をつくってみたらどうか」と提案された。植松さんは千葉県東金市在住で、東伏見までは片道2時間以上。しかも現在、筋トレサークルに所属しており「今はいろんなことにチャレンジしたい」と言う。体育会に入ってキャンパスライフを“拘束”されるのは本意ではないようで、デーモンの提案はありがたかった。

 同じ思いの人は多く、ほかに5人が同調。室伏監督の許諾を得て、同好会発足へ動いた。同好会をつくるには構成人数が足りず、学校未公認の愛好会として5月半ばに船出した。

 その後、会員は7人になった。室伏監督は「まずは相撲に興味を持ってもらうことが大事。第1段階はクリアできた」と話す。肝心なのは今後、愛好会から部へと学生を送り込めるかどうかだ。

 相撲部員は現在、4年生と3年生、榊原さんの3人。最近は団体戦に出場するために、柔道部やラグビー部に助っ人を頼んでしのいでおり「1人でも早く部に入ってもらいたい」が本音だ。

続きを表示

2012年6月18日のニュース