氷川きよしら所属「長良グループ」会長 ゴルフ場で事故死

[ 2012年5月4日 06:00 ]

事故が起こったハワイ・ワイアラエCC

長良グループ会長事故死

 中村玉緒(72)、氷川きよし(34)らが所属する大手芸能事務所「長良プロダクション」と「長良グループ」会長の長良じゅん(ながら・じゅん、本名神林義忠=かんばやし・よしただ)氏が米ハワイ州のゴルフ場で2日(日本時間3日)、プレー中の事故で死去した。74歳。東京都出身。雪村いづみ(75)ら数々のスターを育て、故美空ひばりさんとは「きょうだい」と呼び合う仲だった。突然の悲報に、氷川らも動揺を隠せない様子だ。

 現地からの情報などによると、長良氏はオアフ島南部の名門コース「ワイアラエ・カントリークラブ」でプレーをしていた。2日正午(日本時間午前7時)ごろ、17番ホールで乗車していたカートの事故が起き、頭や胸などを強く打つなどして意識を失った。現地報道によると、近くにいた競技者が蘇生を試みたが、付近の病院に救急搬送された時は心肺停止状態で、午後0時半(同午前7時半)、死亡が確認された。

 関係者によると、カートは長良氏が運転。一緒にプレーしていた人気ロック歌手の男性マネジャー(34)も同乗していた。

 現地メディアは「操作を誤って溝に落ち、2人がカートの外に投げ出された」と報じており、「投げ出された長良さんの上に、カートが落ちてきて即死状態だった」と話す関係者もいる。同乗の男性は肋骨を骨折したが、命に別条はないという。

 葬儀の日取りなどは未定。地元警察が遺体を検視しており、終了次第、空路で日本へ戻る予定。その後、葬儀が執り行われる見込み。

 ワイアラエ・カントリークラブは、米男子ゴルフ・ソニーオープンが毎年開かれる名門。長良氏は以前から「何百回も回っている」と周囲に語るほど気に入っていた。日本人は通常ならメンバーに入れないが、会員権を取得し「今年は家族とハワイに訪れるのが楽しみなんだ」と話していたという。

 ハワイには毎年5~6回訪れ、ゴールデンウイークを過ごすのも例年通り。先月下旬から滞在していた。

 興行師だった父の影響で、10代で芸能界入り。芸能事務所「木倉音楽事務所」で雪村や弘田三枝子らのマネジャーを歴任。59年に「黒い花びら」で第1回日本レコード大賞を受賞した後、不遇の時代を過ごした故水原弘さんを、67年に故川内康範氏作詞の「君こそわが命」で奇跡のカムバックをさせた。ひばりさんとの交流は有名で「ねえさん」「きょうだい」などと呼び合った仲。

 演歌低迷期と言われた90年代以降もこだわりは捨てず、期待に応えたのが2000年にデビューした氷川。同僚の水森かおり(38)とともに演歌界をリードし続けている。今年はAKB48初の演歌歌手となった岩佐美咲(17)や、男性3人組「はやぶさ」などをデビューさせた。

 「若者に演歌を聴いてもらいたい」と、愛する演歌を次の世代へ伝え継ぐことに尽力していた。

 ▽長良プロダクション 東京都港区六本木。1971年に長良氏が「長良事務所」を設立し、87年、「廣済堂プロダクション」に社名変更。99年に「長良プロダクション」となった。中村玉緒、山川豊、水森かおり、氷川きよし、岩佐美咲(AKB48)らが所属。グループ会社にグッチ裕三、ささきいさお、田川寿美らがいる。故若山富三郎さん、小林旭、梅宮辰夫らも所属していた。

 ▽ワイアラエ・カントリークラブ オアフ島の高級住宅街カハラ地区にある会員制ゴルフコース。オアフ島の観光地・ダイヤモンド・ヘッドから数分の距離。毎年1月にはPGAのソニーオープンが開催され、トッププロが競う。83年には青木功が日本人として初の米ツアー優勝を飾った。

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