私生活でも規格外 北公次さん 最大の魅力はやんちゃさの中に漂う色気

[ 2012年2月23日 07:29 ]

死去した北公次さん

 男性アイドルグループの草分けとして70年代に活躍した「フォーリーブス」の北公次(きた・こうじ、本名松下公次=まつした・こうじ)さんが22日、肝臓がんのため死去した。63歳だった。

 68年のデビュー当時から「コーちゃん」の愛称で人気を博した。最大の魅力はやんちゃさの中に漂う色気。故青山孝史さんの好青年のイメージとは対照的で、不良性と危うさを持ったアイドル歌手の草分けの一人だった。

 所属したジャニーズ事務所のいまや定番である“バック転”を初めてステージで披露したのも北さんで、デビュー曲「オリビアの調べ」や「地球はひとつ」など多くのヒット曲を作詞。エキセントリックな一面は繊細な歌詞も生んだ。

 私生活でも規格外。解散翌年の79年に覚せい剤取締法違反で逮捕された。最初の妻と2回離婚し、94年に現在の妻と再々婚。また88年に出版した自身の半生記でジャニーズ事務所についてさまざまな臆測を呼ぶ記述をし、絶縁状態となった。

 とはいえ、多彩なキャラクターを同居させたフォーリーブスの成功はジャニー喜多川社長の「グループはいろんな色が出せた方が個性も伸び、広がりが出る」という信念を“ヒットの法則”へ昇華させる最初のきっかけとなった。SMAPなどの後輩グループにその系譜は受け継がれており、中でも北さんには「ジャニーさんもメリー(藤島副社長)さんも親以上の愛情で手塩にかけた」(元スタッフ)だけに愛憎は深かった。

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