談志さん作詞&歌唱 “幻”の「笑点」初代テーマ曲復刻

[ 2012年1月21日 06:00 ]

「笑点音頭」のジャケットには当時の貴重なレコーディング風景が。(左から故五代目三遊亭円楽さん、林家こん平、毒蝮三太夫、故立川談志さん、柳家小痴楽(故梅橋さん)、桂歌丸、三遊亭金遊(故小円遊さん)

 昨年11月に他界した落語家・立川談志さん(享年75)の“幻の名曲”が43年ぶりによみがえる。

 67年にシングルレコードで発売された「笑点音頭」で、談志さんが初代司会を務めた日本テレビ「笑点」(65年スタート)の最初のテーマ曲。チャンチャカチャカチャカ…という現在のテーマ曲に69年に切り替わる前のもので、これまで企画アルバムに収録されたことはあったが、当時のジャケットを再現して初めてシングルCD化される。

 談志さんが作詞し、自ら歌唱。67年1月から司会を降りる69年11月まで番組で使用された。「笑いのポイント笑点ダイ、ソリェアリャリャンコリャコリャ…」などと歌う底抜けに明るい歌で、レコーディングには「笑点」放送開始のオリジナルメンバーが参加。ジャケットも当時のレコーディング風景が使用され、談志さんのほか、他界した五代目三遊亭円楽さんや三遊亭小円遊さん(当時・金遊)、現在司会の歌丸(75)らの若かりしころの姿が並び、オールドファンにはたまらないものになっている。

 当時のディレクターだった長田暁二さんによると、円楽さんらが「談志さんを手伝いたい」とおはやしを担当。「全員で“鬼婆(おにばば)屁(へ)したソレ、エッヘラヘッと笑え”とはやしたてているところは痛快です。吹奏楽と一緒に録音していたので、みんなが面白いことを言って演奏家を笑わせるもんだから、なかなかレコーディングが進まなかったのを覚えています。談志さんはノリノリで歌ってましたよ」と懐かしそうに振り返った。

 復刻版を手掛けたキングレコード担当者は「当時、談志師匠が新しい笑いを提供するためさまざまなしがらみと戦っていたと聞きます。この歌はそれらに対するメッセージかもしれない。今の時代だからこそ、談志師匠が残してくれたこの歌で多くの人に笑ってもらえれば」と話している。

 タワーレコードの専売商品で2月8日発売。価格も888円(税込み)と末広がりの「8」を並べた。カップリング曲は「こいつァ極楽だ」。当時の振り付けも写真入りで紹介されている。

続きを表示

2012年1月21日のニュース