ゆかりの末広亭 名人の死、悼む声…

[ 2011年11月23日 22:30 ]

 「落語とは何かを追求した人」「まさに鬼才だった」。落語家の立川談志さんの死去が伝わった23日、ゆかりの東京・新宿の末広亭関係者や落語ファンからは名人の死を惜しむ声が上がった。

 末広亭の支配人杉田京次朗さん(58)は「誰から見ても名人。大きな存在を失った。ただ残念のひと言。他に言葉が見つからない」と肩を落とした。落語家になりたいという談志さんを、師匠になる五代目柳家小さんさんに紹介したのが、支配人を務めていた杉田さんの父親だったという。

 ふらりと楽屋に現れ、世間話をして帰っていくこともあったという談志さん。杉田さんは「本当に寄席が好きだった」。

 末広亭の前社長北村幾夫さん(63)も「型破りに見えるが、実は気配りの人だった」と振り返る。地方で仕事があると、帰りの電車の中で、すぐに仕事で世話になった人に礼状を書き、東京駅のポストに投函していたという。

 北村さんは「落語界には、その存在を心のよりどころにしていた人がたくさんいる」と、その死を悼んだ。

 夫婦で末広亭に来た東京都杉並区の自営業平井正幸さん(64)は「言いたいこと、本心をそのままずばり言う異端児。まさに、はなし家だった」とたたえた。

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2011年11月23日のニュース