正しく、美しく…池上彰さんがグランプリ受賞

[ 2011年11月17日 06:00 ]

 さまざまなジャンルで活躍する人、団体などをスポニチ本紙が友情と共感を込めて表彰する「第19回スポニチ文化芸術大賞」の受賞者が決まった。グランプリはジャーナリストの池上彰さん(61)、優秀賞はジャズ歌手の澄淳子さん、「栃木県那珂川町里山温泉トラフグ研究会」の皆さんが選ばれた。

 複雑化する現代社会の出来事を明快かつ丁寧に解説し人気となった池上さん。その卓越したニュース解説もさることながら、今回の授賞理由の一番のポイントは、池上さんの話す「美しい日本語」だ。そんな池上さんの言葉遣いに影響を及ぼしたのが、94年から11年間、編集長を務めたNHK「週刊こどもニュース」。「とにかく子供たちには正しい日本語できちんと事実を伝えないといけません。ですから、一つ一つの言葉や言い回しにも私なりに気を使いました」。記者出身の池上さんは編集長就任にあたり、アナウンス読本を購入し腹式呼吸もマスターしたという。

 優秀賞の澄さんは、浅草のライブハウス「HUB(ハブ)」で昭和の薫り漂うステージを繰り広げるジャズ歌手。「あの当時の歌は言うなれば“日本のスタンダード”」と、「東京ブギウギ」「私の青空」などに独自のアレンジで新たな息吹を吹き込んでいる。また、町おこしのために海のない栃木県で温泉を利用してトラフグ養殖を成功させた同研究会の代表幹事・野口勝明さん(54)は「いずれは全国展開したい」と話している。

 ◇選考委員 秋元康(作詞家)鴨下信一(演出家)小西良太郎(音楽評論家)崔洋一(映画監督)高野悦子(岩波ホール総支配人)林あまり(歌人)矢野誠一(演芸・演劇評論家)山藤章二(イラストレーター)手島大治(編集局長=選考委員長)木村隆(編集局特別編集委員)宮嶋極(編集局文化社会部長) =敬称略=

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