小澤征爾氏 完全復活!熱のこもった指揮ぶり披露

[ 2011年8月22日 06:00 ]

 一昨年12月に判明した食道がんの治療と強度の腰痛などのため断続的に活動を休止していた指揮者の小澤征爾氏(75)が21日、長野県松本市のまつもと市民芸術館で行われたサイトウ・キネン・フェスティバル(SKF)のオペラ公演を指揮し、完全復活を果たした。

 プログラム後半、ハンガリーの作曲家ベラ・バルトークのオペラ「青ひげ公の城」(全1幕)で約1時間余にわたって熱のこもった指揮ぶりを披露。最後まで振り終えると満員の客席からは盛んな喝采とブラボーが沸き起こった。一時、歩けないほど悪化した腰痛もかなり改善した様子。指揮台まで、しっかりとした足取りで登場し、演奏中も用意された椅子から何度も立ち上がり、キビキビとした動作でオーケストラに指示を飛ばしていた。

 また、オペラ公演に先立ち、東日本大震災の犠牲者のためにバッハのアリアを献奏した。

 小澤氏は一昨年12月に食道がんを告白し活動を休止。昨年1月に食道の全摘出手術を受け、がんを克服したものの、手術の影響などで持病の腰痛が悪化。昨年9月の同フェスティバルの公演では約7分程度の短い曲を指揮することしかできなかった。今年7月にスイスと日本で自らが主宰する若手音楽家の教育アンサンブルの指導などに参加し本格復帰に備えていた。

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2011年8月22日のニュース