“不死鳥”ひばりさん 1001曲CDボックス発売

[ 2011年6月21日 06:00 ]

美空ひばりさん二十三回忌の特別企画として発売されるデータブック「ひばり千夜一夜」

 89年6月24日に他界した美空ひばりさん(享年52)の二十三回忌法要が20日、東京・日比谷の帝国ホテルで行われた。五木ひろし(63)、小林幸子(57)、石川さゆり(53)ら後輩歌手や音楽関係者約620人が参列、不世出の歌姫をしのんだ。また、歌謡史上最大1001曲を収録したCDボックスセット「ひばり千夜一夜」を8月3日に発売することも決まった。

 法要が執り行われた「孔雀の間」は88年暮れに生前最後のディナーショーを行った場所。ひばりさんは同年、大腿骨骨頭壊死と慢性肝炎の大病から復帰しており、この日の祭壇のテーマも「不死鳥」。遺影も88年4月に東京ドームで行った復活公演での笑顔の写真が飾られた。

 五木らのほか、橋幸夫(68)大月みやこ(65)川中美幸(55)ら多くの後輩歌手が参列。「川の流れのように」を作詞した秋元康氏(55)も訪れた。発起人代表の作曲家船村徹氏(79)は「ひばりさんの思い出話をみんなでする、そんな“噂供養”にしましょう」とあいさつ。戦後の日本にたくさんの希望を与えてくれた名曲の数々の映像が流れる中、参列者たちが語り合う何ともにぎやかな“噂供養”となった。

 幻の映像といわれたブラジル公演(70年)など生前の歌声に合わせ、バンド2組が「悲しい酒」「柔」など7曲を生演奏。まるでひばりさんがその場で歌っているかのような心憎い演出に何度も拍手が鳴った。長男の加藤和也氏(39)は「美空ひばりはいまも現役。皆様のおかげでさらに新たなステージへ旅立てる」と感無量の表情。小林幸子も「ひばりさんは亡くなっていない、今も(多くの人の胸の中で)生きていると本当に感じた」と強調した。
 和也氏の現役宣言通り、集大成の“新作”も出る。ひばりさんが歌った計1001曲をCD54枚とDVD2枚に収録した「ひばり千夜一夜」(税込み12万円)。代表曲のほか、78年に録音したまま未発表だった「北上夜曲」「山のロザリア」の2曲も収録。「約1500曲の持ち歌があるからこそできる企画。未来へつながるよう大台に1曲を加えた」と発売元の日本コロムビア。同社ではギネス記録への申請も「検討したい」と明言。特典でライブ音源など33曲をCD2枚に追加収録する。和也氏は二十三回忌を記念した音楽祭などの企画も「今後考えていきたい」と話した。

続きを表示

この記事のフォト

2011年6月21日のニュース