ホリエモン、派手に“収監ショー”でも本音は…

[ 2011年6月21日 06:00 ]

 06年の旧ライブドア粉飾決算事件で、旧証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載など)の罪で懲役2年6月の実刑が確定した堀江貴文元社長(38)が20日、モヒカン刈りにして東京高検に出頭、収監された。粉飾決算しながら経営陣が実刑を免れた社名を羅列し、「GO TO JAIL(監獄へ行け)」とプリントされたTシャツを着込み挑発する一方、「(刑務所暮らしは)そりゃ寂しい」と本音も漏らした。

 午後0時50分ごろ、東京・霞が関に現れた堀江元社長の頭には見事なトサカ。ざわめく人々を尻目に「思い出づくり。普段はしないでしょ?でも(刑務所に)入ればどうせ丸刈りだから」と、ひょうひょう。午前11時半ごろ、東京・六本木ヒルズの自宅に美容師を呼び刈り上げた。

 モヒカンと並び注目されたのが「GO TO JAIL」Tシャツ。上から粉飾額が多い順に5社の名が記され、一番下にはライブドアのロゴと「53(億円)」の数字。ライブドア以外の経営陣はいずれも裁判で無罪または執行猶予の判決が出ている。元社長はこれまで会見などでこれらの社を引き合いに「目立つ人をいけにえにする」「旧来からの大企業に甘い」など検察や裁判所を批判。あらためて自身の考えを表現したとみられる。

 この日未明、ブログやツイッターで出頭予告。「お見送りをしてくださる方がいましたら集まって」と場所と時刻を書き添えたため、東京・霞が関の弁護士会館前には報道陣約120人を含む約300人が集まった。会見後は人が群がる中、高検が入る検察庁舎まで約200メートルを徒歩で移動した。

 前夜は「ロマネコンティ祭り」と称し、知人らと高級ワインを空けまくった。会見では「毎日酒を飲むことがなくなり健康になる」「ダイエットでもしてきます」など平静さが目立った。一方、収監に揺れる胸中も吐露。出頭までを生中継した動画サイトでは、会見にも同行したネット掲示板「2ちゃんねる」創始者の西村博之氏(34)の問いかけに「そりゃ寂しいよ」とポツリ。「面会は最初は週2回くらいみたい。独りは寂しい。正直イヤ」と話した。西村氏によると、最後の食事はイクラ御膳だった。

 元社長は東京拘置所にいったん収容された後に、収監先の刑務所が決まる。確定判決は懲役2年6月だが、刑に算入された40日間の勾留期間を差し引き、服役は最長2年4カ月余り。この間、刑務作業の傍ら、読書や執筆活動に力を入れる意向で、出所後は、現在取り組むロケット開発再開などを視野に入れる。

 「ちょっと生き急ぎすぎた。1回リセットしてきます。出てきたころ、世の中は大きく変わっていると思うが、まだ社会の役に立てるならお手伝いしたい」と言い残した。

 ◇ライブドア事件 1、2審判決によると、堀江元社長らはライブドア(LD)の04年9月期連結決算で、LD株売却益や架空利益を不正に計上し、約53億円を粉飾。また、同10~11月、関連会社が買収する出版社の価値を過大評価し、関連会社に関する虚偽の業績を発表した。東京地検特捜部が06年1月にLD本社などを家宅捜索。元社長らが逮捕、起訴された。LDは04年6月にプロ野球近鉄バファローズ(当時)の買収に名乗りを上げ、05年2月にニッポン放送株を大量取得、フジテレビと争奪戦になるなど、話題を振りまいてきた中での事件だった。元社長は公判で、粉飾決算について「(部下への)指示は絶対にない。(部下が)勝手に手っ取り早く利益に走っただけ」と無罪を主張。最高裁は今年4月25日、元社長の上告を棄却。元社長が申し立てた異議も5月20日に退けられた。

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2011年6月21日のニュース