渡辺謙　映画「はやぶさ」主演！企画段階で快諾

映画「はやぶさ」の瀧本智行監督（左）と主演の渡辺謙は、はやぶさの模型を手にする

　俳優の渡辺謙（５１）が、小惑星探査機「はやぶさ」に携わった人々を描いた映画「小惑星探査機　はやぶさ～遥かなる帰還～（仮）」（来年公開予定）で主演することになり８日、都内で会見を行った。はやぶさプロジェクト・マネジャーを務めた宇宙航空研究開発機構（ＪＡＸＡ）の川口淳一郎氏役。「犯人に告ぐ」などの瀧本智行監督がメガホンを取る。

　渡辺がオファーを受けたのは昨秋。坂上順プロデューサーから脚本もない企画段階で話を持ちかけられ、「やりましょう」と快諾したという。

　作品の立ち上げから携わった主演映画「明日の記憶」と同じエグゼクティブ・プロデューサーも打診されたが、川口氏の肩書にちなんでプロジェクト・マネジャーに就任。「大きな役作りの一環。（同じ肩書になって）川口さんの影を追いたい。宣伝も現場の雰囲気作りも作品のためなら何でもやる」と話した。

　映画はノンフィクション作家の山根一眞氏の「小惑星探査機　はやぶさの大冒険」が原作。０３年５月に打ち上げられた「はやぶさ」が小惑星「イトカワ」のサンプルを採取し、７年後の１０年６月に帰還するまで、数々の危機を乗り越えたプロジェクトチームの挑戦と苦闘をたどる。

　渡辺は「技術大国と言われた日本が外国に追い越されたのではという危惧（ぐ）感の中、まだまだ誇れるものがあると気づかせてくれる素晴らしい題材。華美な脚色をせず、計画に携わった人々の姿を正面からとらえたい」と説明。作品を通して「勇気や希望を届けることができると確信している」と話した。川口氏とは２度会って、一升以上の日本酒を酌み交わしたといい「技術者なのに根性や気合という言葉を大切にしている人。凄く共感できた」と振り返った。

　撮影は今月２０日にスタート。「はやぶさ」は幅約６メートルの実物大モデルで再現される。製作費は約１５億円を投入。７月末にクランクアップする予定。