「大鹿村騒動記」試写会に村民の9割来た!

[ 2011年5月5日 06:00 ]

撮影で使った食堂を訪れた原田芳雄(中央)ら。地元の役者さんに両サイドを挟まれ、左から阪本監督、大楠道代、原田、岸部一徳

 原田芳雄(70)主演の映画「大鹿村騒動記」(監督阪本順治)の完成披露試写会が4日、舞台となった長野県下伊那郡の大鹿小学校体育館で行われた。2回の上映に、1182人の全村民(役場調べ)のうち1000人が足を運び、駆けつけた原田や共演の大楠道代(65)、岸部一徳(64)らを温かい拍手で迎えた。

 東日本大震災で被災した福島県飯舘村などと並んで「日本で最も美しい村・39村」の一つに数えられる大鹿村。前日3日に開催された本物の大鹿歌舞伎に続く大イベントとなった。劇中、白塗りの役者に扮した原田は「衣装が重くて、実は左肩を脱臼しながらの芝居でした」と打ち明けながら「皆さんの協力なしではできなかった映画」とエキストラも務めた村民に感謝した。

 作品は300年前から村に伝わる地芝居がモチーフ。08年にドラマの仕事で同村を訪れた原田が、歌舞伎を受け継ぐ住民の熱い心に触発されて自ら企画を立案。阪本監督に持ちかけて実現した作品だ。駆け落ちした妻(大楠)が記憶をなくして18年ぶりに帰郷。そこから起こる騒動が人間味たっぷりに描かれた。

 観賞した60代の主婦は「3月12日には長野県でも震度6強の地震があった。この村はそれほど揺れなかったけど、日本は今踏ん張りどころ。原田さんらが来てくれて元気をもらえた」と感激していた。7月16日公開。

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2011年5月5日のニュース