なぜトラブル相次ぐ…背景に韓国特有の「卵のふ化」システム

[ 2011年1月22日 09:06 ]

 日本に進出し人気を得た韓国の芸能人が、契約内容をめぐり所属事務所とトラブルになるケースが相次いでいる。19日には韓流ガールズグループ「KARA」のメンバー5人のうち4人が、所属事務所に契約解除を申し出たことが分かり、解散説も浮上。1人は後に撤回したが、韓国芸能界特有の新人育成システムが原因との指摘もある。

 昨年6月には、人気グループ「東方神起」のメンバー5人のうち3人が、所属事務所との専属契約の無効確認を求めて提訴。グループは分裂し、ファンに衝撃を与えた。

 デビューから13年という契約期間は長すぎ、過密スケジュールで心身が疲労したとし、利益の配分も少ないとも主張した。KARAの4人も代理人を通じ、やりたくない仕事を強要され人格を否定されたなどと訴えた。

 こうした不満の根底にあるのが、スカウトの段階から長期契約し、徹底的なトレーニングを施す韓国の芸能事務所独特の方式だ。「インキュベーティング(卵のふ化)・システム」と呼ばれ、多額の資金を投入してダンスや歌、演技のレッスンを課し「完成品」としてデビューさせる。その期間は5年以上に及ぶこともある。

 デビュー後、事務所は投資回収のため無理なスケジュールを組む一方、所属芸能人の報酬が低いケースが多く、韓国内では「奴隷契約」との批判も出ている。

 韓国芸能界に関する著書がある在韓ライター、菅野朋子さんは「日本に進出し、周囲との比較で自分のギャラの安さを知り、不満を募らせる韓国の芸能人は少なくない」と指摘。夕刊紙、文化日報は20日「韓流人気に冷や水を浴びせる」との懸念を伝えた。

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2011年1月22日のニュース