三枝も納得!精神科医が社会人落語で優勝

[ 2010年10月25日 06:00 ]

第二回社会人落語日本一決定戦で2代目名人に選ばれ、桂三枝(左)に祝福される芸乃虎や志さん

 「第二回社会人落語日本一決定戦」の決勝戦が24日、大阪府池田市であり、10人が自慢の話芸を披露した。大会統括で審査員でもある落語家桂三枝(67)が「この10人はあす(天満天神)繁昌亭に出てもそんしょくない。若い落語家に見てもらいたいくらい」と振り返る、ハイレベルな戦いとなった。

 その結果、「芸乃虎や志(げいの・こやし)」として高座に上がった愛媛県在住の精神科医・枝広篤昌さん(48)が2代目名人に輝き、賞金50万円を獲得した。演目は創作落語「お婆ちゃんのお手玉」。祖母が孫にお手玉を見せながらアニメ主題歌や演歌をメドレーする内容で、会場は爆笑だった。
 三枝は5人の審査員全員の満場一致だったことを説明し「患者の話を聞く立場の精神科医をしていることが大きいのでは。枕も良かった。賞金で、もっといい精神科医に診てもらって」と、ジョークをいれて絶賛していた。
 一方の枝広さんは発表の瞬間こそ目頭を熱くしていたが「夢のようです」と満面の笑み。週に1度のペースで笑いの効用について講演をしていることを明かし、「(講演の本題に入る前に)一席やって笑いの効果を実感してもらっています。診察室ではできませんが」と、上達の秘けつを打ち明けていた。
 大会には北海道から沖縄まで全国から288人が応募。三枝は「みなさんが、自分の経験を見事に生かしていた。社会人落語というものが確立した」と総括し、底辺拡大に手応えを感じている様子だった。
 2位は大阪府の無職岡田谷勝久さん(71)の「浪華家勝平」、3位は大阪府の鍼灸(しんきゅう)師・永広正則さん(40)の「立の家猿之助」だった。

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2010年10月25日のニュース