相武&比嘉でドラマ化 バレー日本代表“絆の物語”

[ 2010年9月20日 06:00 ]

女子バレーの日本代表・木村沙織を演じる相武紗季(右)と21歳の若さで死去した横山友美佳さんを演じる比嘉愛未

 バレーボール女子の日本代表のエース、木村沙織(24)と21歳の若さで死去した元日本代表の横山友美佳さんの固い絆(きずな)を描いた実話がドラマ化される。TBSのスペシャルドラマ「明日もまた生きていこう」(10月25日後9・00)で、横山さんが残した同題の著書が原作。木村を相武紗季(25)、横山さんを比嘉愛未(24)が演じる。

 横山さんは08年4月17日、小児がんの一種、横紋(おうもん)筋肉腫で死去。08年の北京五輪世界最終予選が行われる1カ月前に旅立った。
 東京・下北沢成徳高で木村が1年上の先輩後輩。姉妹のような仲の良さでまさに親友だった。木村は同年5月、北京五輪を目指していた横山さんへの思いを秘めて予選を戦い、五輪出場を決めた。その際の木村の涙に多くのファンが胸を打たれた。
 今回、ドラマ化されるのは、高校2年で全日本に初選出され、天才選手として木村とともに将来を期待された横山さんが18歳でがんを宣告されてから執筆し続けた著書「明日もまた生きていこう」。病魔に五輪への夢を断たれ、青春をささげたバレーボールも奪われたが、それでも挑戦を続けた横山さんと強い絆で結ばれた木村との交流が描かれる。
 木村を演じる相武は過去に木村本人をインタビューしたこともあり、「私が感じた木村沙織さんは、常に自分の芯を持ち、心の軸がぶれることがない前向きな方。そんな部分を大切にしていきたい」とコメント。横山さんを演じる比嘉は「闘病生活の中で、つらいことがあっても常に笑顔で、逆に周りの人たちを元気にさせたとお聞きした。私も何があってもあきらめない!!と勇気をもらいました」と話している。
 相武と比嘉は試合や練習のシーンを元日本代表の落合真理さん(28)の指導の下、体当たりで挑んでいる。
 今月25日には世界バレーの男子大会(イタリア)、10月29日には女子大会(日本)が開幕。バレーボールに注目が集まる中、感動の実話が「生きること」をあらためて考えさせてくれそうだ。

 ≪北京五輪出場権獲得の前日に出版≫横山さんは身長1メートル87の大型アタッカーとして将来を嘱望されていた。闘病生活の中、大学進学という新たな夢を見つけ、投薬治療を受けながら受験勉強を続け早大教育学部に一般推薦で合格。治療も終えて治ったと信じたが、がんが再発。大学生活はわずか2カ月半で断ち切られてしまった。それでも、夢を見ることをやめなかった。「明日もまた生きていこう」は死去から約1カ月後、日本代表が五輪出場権を手にする前日の08年5月22日に出版された。

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2010年9月20日のニュース