二葉百合子が引退会見「元気な今、幕を下ろす」

引退を表明し、記者会見で涙ぐみながらあいさつする二葉百合子さん

　「岸壁の母」などのヒット曲で知られ、引退を表明した歌手の二葉百合子（７８）が１７日、東京都文京区のレコード会社で会見し「元気な今だから、私は上げた幕を下ろすときだと決心しました」と述べた。今後１年間活動を続け、来年３月に予定している公演で正式に引退するという。

　二葉は、引退理由について「何年か前から声が出るうちにやめると自分に言い聞かせ、昨年暮れに気持ちが固まった」と説明。引退後の予定については「後進の指導。これが私の生きがい」と語った。

　二葉は、浪曲師として３歳で初舞台を踏み、今年で芸能生活７６年目。１９７２年にレコード発売した「岸壁の母」が大ヒット。戦後、引き揚げ船が着く港で息子の帰りを待つ母の気持ちをつづった歌で、二葉は「平和な今でもこの歌を歌わせていただけるのは幸せです」と話した。