チャンバラトリオ“ハリセン担当”南方さん逝く

[ 2010年2月28日 06:00 ]

肝硬変のため亡くなった「チャンバラトリオ」南方英二

 ハリセンを使ったお笑いグループ「チャンバラトリオ」の南方英二(みなかた・えいじ、本名・楠本喜八郎=くすもと・きはちろう)さんが26日午後8時33分、肝硬変のため大阪府の病院で亡くなった。77歳だった。和歌山県出身。葬儀・告別式は親族のみで行う。喪主はめい楠本勝子(くすもと・かつこ)さん。

 吉本興業によると、今月20日に体調不良を訴え受診。深刻な状況ではなく自宅療養していたが、26日に病状が悪化。同居している楠本さんによって病院に運ばれ、駆けつけた親族やメンバーの志茂山高也(65)らが見守る中、静かに息を引き取った。今年1月5~11日の大阪での公演が最後の仕事となった。
 東映時代劇の“斬られ役”だった南方さん、リーダーの山根伸介(73)、伊吹太郎(72)の3人で1963年にチャンバラトリオを結成。ボケ役の顔や頭などをハリセンで叩く時代劇風コントが人気を博した。南方さんはハリセン役を担当し頭(かしら)の愛称で親しまれた。ハリセンは南方さんが考案し、チャンバラトリオが使い始めたとされる。
 チャンバラトリオはメンバーの出入りが繰り返され、94年に南方さん、山根の2人に志茂山、故前田竹千代さんが加わり4人組となった。2008年11月に前田さんが亡くなり、3人となっていた。1976年に上方漫才大賞の大賞と、上方お笑い大賞の金賞をともに受賞している。
 訃報を受け、山根は「結成50周年を頭と一緒に迎えることはできなくなりましたが、何とかやり遂げますのでどうか見守ってください」と追悼。志茂山は「頭ほどの立ち回りはできませんが、チャンバラトリオの名前やにおいを残せるよう頑張りたい」と誓った。

 ◆南方 英二(みなかた・えいじ)1932年(昭7)11月21日、和歌山県田辺市出身。55年東映入社。故萬屋錦之介さんに師事し、東映剣会で剣術を学ぶ。60年、明治座で初舞台。映画に出演するなど俳優としても活躍。趣味は酒と競輪で、競輪中継にゲスト出演したこともあった。巨人ファン。

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2010年2月28日のニュース