寺島しのぶ“なにくそ根性”が女優魂の原動力

[ 2010年2月28日 06:00 ]

ベルリン国際映画祭・最優秀女優賞のトロフィーを授与され喜ぶ寺島しのぶさん(左)。右は若松孝二監督

 第60回ベルリン国際映画祭に出品された「キャタピラー」で最優秀女優賞を受賞した寺島しのぶ(37)が27日、大阪市内の劇場で帰国した若松孝二監督(73)と共演の大西信満(しま、34)からトロフィーを受け取った。発表から6日。待ちに待った受賞の証にキスしながら「これはキャタピラーチームの魂の結晶だから、重い」と、感激の涙を流した。

 出演中の舞台「血は立ったまま眠っている」(演出・蜷川幸雄)のカーテンコール直後のこと。客席から大西とともに登場した若松監督から熊の形をした銀色のトロフィーを手渡された寺島は、満面に笑みを浮かべながら高々と掲げキスして見せた。
 蜷川氏による演出でベートーベンの交響曲第九番「歓喜の歌」が流される中、会場のスタンディングオベーションに涙。舞台出演のため、審査結果発表を待たずに帰国していただけに胸にこみ上げてくるものがあったようだ。言葉を詰まらせながら「わがままでどうしようもないわたしを100%支えてくれた(夫の)ローラン、世界の監督若松さんと蜷川さん、つらい夫婦役をやってくれた大西君や、皆さんに感謝したい」と話した。
 ローラン・グナシアさん(42)はこの日劇場まで足を運び、2人は舞台裏で抱き合って喜んでいたという。
 寺島はその後の会見で、バンクーバー五輪女子フィギュアで浅田真央(19)が銀メダルを獲得したことに関連して「わたしは劣等感のかたまり。いろんなことを言われてもそれをのみ込み、なにくそ!いつか金メダルを獲ってやる!という気持ちでやってきた」と強調した。
 日本での公開は終戦記念日前日の8月14日に決定。すでにフランスから配給オファーも来ており、韓国の映画関係者とも近日中に交渉に入るという。寺島の受賞によって、一躍世界から注目を集める作品となっているようだ。

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2010年2月28日のニュース