衝撃だった“法子”と“のりピー”のギャップ

[ 2009年12月30日 09:55 ]

謝罪会見で涙をみせる酒井法子。更生して“復帰”はあり得るのかどうか…

 【09年芸能界 酒井法子事件がもたらしたもの】

 「小向美奈子事件」「酒井法子事件」「押尾学事件」…2009年、芸能界は“薬物汚染”に大揺れだった。今でも、まだ“やっている”芸能人がいて、いつ逮捕されてもおかしくない緊張状態が続いていると指摘する関係者もいる。薬物汚染のショックは“10年に1度”の稀有な年として、西暦2000年代のプロローグ「00年代」として芸能史に残るだろう。

 特に酒井法子は、その清純イメージからは想像もつかなかった。「“法子”と“のりピー”のギャップ」はあまりに大きかった。酒井そのものの事件は終わったが、捜査当局は依然同様の芸能人がいるとみて捜査を継続しており、事件のすそ野の広がりが懸念される。

 芸能界的には、1970年代に「芸能界のマリフアナ汚染」と騒がれた特異な年(77年)があった。大物芸能人10数人が次々と所持・使用で逮捕され、覚せい剤も含まれていた。いわゆる“イモヅル式”だった。その後、芸能界と暴力団組織との黒い交際が指摘された時期もあって、ひそかに紅白歌合戦では「補欠歌手」が用意されていたこともある。

 以来30余年、芸能界は薬物問題にこれといったコンプライアンスに取り組んでこなかった。忘れたころに芸能人が逮捕されては、いつの間にか立ち消えになっていく。「芸能界は禁止薬物に甘い」と言われ、カムバックの時期の早さについても指摘されてきたが、積極的に打つ手はなかった。

 8月、警察庁の安藤隆春長官が記者会見で「芸能界関係者は薬物事犯を一掃するよう、再発防止に真剣に取り組んでもらいたい」と異例の苦言を呈した。「芸能界から薬物を一掃する取り組みが、社会全体の薬物乱用の防止を推進する力になると思う」と、そのため警察は協力を惜しまないと語った。芸能人の社会的責任にも言及したのだ。

 今、第一線にいる芸能人の中には、そうした“過去”を持つ芸能人が、立派に更生して活躍している。酒井法子もその道を目指すだろう。芸能プロダクションも、禁止薬物一掃に取り組み始めた。ファンはそれを見届けようといることを忘れてはならない――。

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2009年12月30日のニュース