押尾容疑者から知人女性「MDMAもらった」

[ 2009年12月7日 06:00 ]

麻布署前に集まった報道陣(午前7時すぎ)

 マンションの部屋に一緒にいて死亡した飲食店従業員田中香織さん=当時(30)=に合成麻薬MDMAを譲り渡したとして、麻薬取締法違反の疑いで逮捕状が出ている元俳優押尾学容疑者(31)の知人女性が「押尾容疑者からMDMAをもらった」などと証言していることが6日、分かった。警視庁捜査1課は、押尾容疑者が自らMDMAを入手し常用していた可能性が高いと判断。さらなる裏付け捜査を進めている。

 捜査関係者によると、押尾容疑者と付き合いのあった女性が任意の事情聴取に対し、「MDMAは押尾容疑者からもらい、一緒に使用した」と証言。捜査1課は事件直後から、押尾容疑者と交友関係があった多数の人物への事情聴取を続けてきたが、押尾容疑者が田中さんへMDMAを譲渡していたことをうかがわせる証言として注視している。
 押尾容疑者は使用罪での公判などで、田中さんと使用したMDMAについて「田中さんからもらった」と説明。10月23日に東京地裁で開かれた初公判では、押尾容疑者が犯行当日に田中さんに「来たら、すぐいる?」という意味深なメールを送っていたと検察側から指摘されたのに対して、「“僕自身を要るか?”という意味で、“薬が要るか?”と聞いたわけではありません」と性行為に関するメールであると強調。薬物使用を前提としたやりとりではないとした。
 また、過去にMDMAを使用したのは、約2年前と今年3月、7月に渡米した際に使っただけと供述。国内での使用は事件当日だけとしていた。
 ただ、公判での押尾容疑者の証言には疑問点も多く、判決で裁判官は「被告人の法廷での説明は、その内容が不自然。被告人自身が認めている犯行発覚までの経緯や発覚後の被告人の言動に照らしても、およそ信用しがたい」などと、不信感を前面に出していた。
 一方、押尾容疑者の毛髪を鑑定した結果、MDMAの成分を検出。女性の証言で国内でも使用していた疑いが強まった上、毛髪からの成分検出で、捜査1課は常用していた疑いがあると判断した。
 捜査1課は、押尾容疑者にMDMAを渡したとして同法違反容疑で友人でネット販売業の男と、田中さんの携帯電話を捨てた証拠隠滅容疑で元マネジャーの男の逮捕状を4日に取得。友人の男の行方が分からなくなっており、所在が確認され、3人の容疑が固まれば逮捕する。

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2009年12月7日のニュース