32年前の淫行事件で…ポランスキー監督の身柄拘束

[ 2009年9月27日 19:08 ]

 スイス最大都市チューリヒで開催中のチューリヒ映画祭の事務局は27日、映画「戦場のピアニスト」「チャイナタウン」などで知られるロマン・ポランスキー監督(76)の身柄を同国当局が拘束したと発表した。1978年の指名手配に基づく米当局の要請によるものとしており、前年の77年に起こした少女淫行事件に関連する拘束とみられる。

 事務局によると、監督は26日、スイス入国の際に拘束された。映画祭で賞を受けることになっていたが、27日夜に予定されていた関連イベントは無期延期とされ、事務局は「衝撃を受け失望した」との声明を出した。
 ポランスキー監督はパリ生まれでポーランドで育った。米国に住んでいた77年、ロサンゼルスで少女淫行事件を起こし、保釈中の78年に欧州に逃亡して以来、米国に戻っていない。
 AP通信によると、監督が住むフランスのミッテラン文化相は「逮捕にあぜんとした。多くの辛酸をなめてきた人に、さらに厳しい試練が与えられるのは極めて残念だ」とナチス・ドイツによるホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)の生き残りである監督を擁護。サルコジ大統領とも連絡し「問題の早急な解決」に動く意向を表明した。
 ナチス・ドイツ占領下のポーランドでユダヤ人ピアニストが奇跡的に生き延びる姿を描いた「戦場のピアニスト」で2002年カンヌ国際映画祭の最高賞パルムドール、同作品で03年にアカデミー監督賞を受賞した。

(AP=共同)

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2009年9月27日のニュース