しんちゃんとは逆だった…もの静かな臼井さん

[ 2009年9月20日 22:03 ]

亡くなった漫画家臼井儀人さんの作品「クレヨンしんちゃん」

 生意気で目立ちたがり屋の幼稚園児、野原しんのすけが、奇抜な行動で親や先生を困らせる「クレヨンしんちゃん」。作品は子供だけでなく、大人をも魅了し続けたが、作者の臼井儀人さんは表舞台には出ず、しんちゃんとは対照的に、もの静かな人柄だった。

 さまざまな職業を経た後、30歳を目前に挑戦した漫画の作品が雑誌の新人賞で佳作に選ばれ、本人いわく「素人」がプロの道に入った。1990年に雑誌でスタートした「クレヨンしんちゃん」はたちまち人気を集め、テレビアニメや映画になった。
 「オラ」「…だゾ~」といったしんちゃんの口調を子供たちがまねるなど、キャラクターは社会現象に。PTAが毎年のように「子供に見せたくないテレビ番組」の上位に挙げたが、番組は高視聴率で、映画はシリーズ17作に上る。映画版を基に作られた実写映画も最近、封切られた。
 臼井さん自身は過去に共同通信の取材で「僕は面白い人間じゃないし、読者ががっかりしちゃうから」と、顔写真の撮影を拒んだ。華やかな空想の世界と、それを生み出す実世界とを明確に区別したかったようだ。

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2009年9月20日のニュース