拓郎公演中止「無念」のラストツアー終了

[ 2009年7月24日 06:00 ]

 体調不良で全国ツアーを中断した歌手吉田拓郎(63)が23日、復帰を予定していた25日の静岡・つま恋エキジビションホールでの公演を中止すると発表した。この日、リハーサルで現地へ向かう途中に体調を崩し、都内の病院で慢性気管支炎の悪化と診断された。今回が「生涯最後」のツアーとしていた拓郎は「有終の美をと願っていただけに本当に無念」と悔しさをにじませている。

 所属レコード会社によると、拓郎はこの日午後4時ごろ、車で都内の自宅から東名高速道路に入り現地へ向かった。しかし、数十分後に車内で体調不良を訴え、川崎市付近で都内へ引き返した。

 そのまま掛かり付けの病院へ直行。今月8日の大阪公演をキャンセルした際と同様「慢性気管支炎の急性憎悪」と診断された。入院はしていないが、自宅で安静にしており、長期の療養が必要という。体調を何度も崩し、気力にも影響が出ているとみられる。

 関係各社は協議し、ツアーは困難と判断。来月3日のNHKホール(東京・渋谷)公演も中止にした。現段階で代替公演を行う予定はなく、チケットの払い戻しは24日から対応する。

 拓郎は午後8時半、マスコミ各社に文書で「最終となるツアーがこのような結末となり本当に無念であります」と悔しい思いを吐露。大阪公演中止後、自宅から外出せずに静養してきたが「日常生活に支障は少ないものの、移動と実際のステージはやはり困難と判断いたしました。僕自身も何とか各地での公演で有終の美をと願っておりましたが、体調不良には勝てませんでした」と説明した。

 ファンをはじめ、ツアーを支えるミュージシャンやスタッフにも「心からおわび申し上げます」と謝罪。その上で「このままでは…の悔しさを胸に治療に専念し完全回復を果たします」としている。これにより、全10公演で約2万7000人動員予定で6月21日に名古屋で開幕したツアーは、今月4日の東京公演が最後に。中止となった6公演のチケットは全席1万円で、計約1万5000人分が完売していた。

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2009年7月24日のニュース