釣りバカファイナル“心筋梗塞コンビ”で頑張る

[ 2009年6月5日 06:00 ]

北海道標津郡中標津町の標津川岸で行われた映画「釣りバカ日誌20ファイナル」のロケ。左から塚本高史、吹石一恵、西田敏行、三国連太郎、松坂慶子

 国民的映画シリーズの最終作「釣りバカ日誌20ファイナル」の撮影が、北海道中標津町の養老牛温泉で行われた。1988年の第1作から共演してきた西田敏行(61)、三國連太郎(86)らが参加。記者会見では三國が、4月下旬に心筋梗塞(こうそく)の疑いで手術をしていたことを公表。幸い軽度で撮影には支障なし。03年3月に同じ病気を患っている西田は「心筋梗塞コンビで頑張ります!」と笑顔で意気込みを語った。

 標津川の水音が、新緑の林に響きわたる。岸からは「ハマちゃん」こと西田と、「スーさん」こと三國が仲良く並んで糸を垂らしている。ハマちゃんの竿がしなり、引き上げるとハリの先には元気にはねるオショロコマ。今作のゲスト出演者、松坂慶子(56)塚本高史(26)吹石一恵(26)らも加わり、清流にしか棲息しない川魚を見て大喜び。シリーズ最終作という“悲愴感”はなく、撮影現場は過去19作(特別編を含むと21作)と同じ楽しい雰囲気。松坂に「お2人とも竿がよく似合ってますね」と声を掛けられた西田は「21年間もやってますから」と照れた。
 「釣りバカ」シリーズの撮影が北海道で行われるのは初。会見で西田は「北海道でっかいどう、ですね。地平線が見えるロケ地は初めて」と大自然を満喫している様子。シリーズ終了については「引き際も大事。納得した決断」と未練がないことを強調した。
 実は最終作の撮影が危ぶまれるアクシデントが4月下旬に起きていた。飛行機に乗ると動悸(き)が激しくなるという三國が同24日、都内の病院で心電図の検査を受けたところ、心筋梗塞の疑いがあることが判明。自覚症状はなかったが、同28日にカテーテルを入れる手術を受けた。現在もカテーテル3本が入っているが、幸い術後の経過は良好で、撮影に影響はなかった。周囲の心配をよそに、本人は元気そのもの。西田を「お酒が過ぎると寿命を縮めますよ」とたしなめるほどの余裕だった。
 「三國さんは飛行機嫌いでも海外の映画祭には行くんですよ」と笑わせた西田。劇中同様、私生活の病気でも息が合い「心筋梗塞コンビで頑張ります」と、シリーズ最高のコメディー作品に仕上げることを誓った。12月26日公開。

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2009年6月5日のニュース