「二代目・三波伸介」長男・三波伸一が襲名

[ 2008年11月11日 06:00 ]

父・三波伸一の名を刻んだ大将棋駒を手にした三波伸一

 昭和を代表するコメディアンで、1982年12月に52歳で亡くなった三波伸介さんの二代目を、喜劇劇団「萬天舘」を主催する長男の三波伸一(44)が来年12月8日の父の命日を期して襲名することになった。父・伸介さんが仕事で夫婦役を務めることが多かった中村メイコ(74)らの賛同も既に得ており、近く正式に発表される。

 「三波伸介」の名跡が27年ぶりによみがえる。父・伸介さんは伊東四朗(71)、故戸塚睦夫さんと「てんぷくトリオ」を61年に結成し、舞台やテレビのバラエティー番組で活躍。「びっくりしたなあ、もう!」のギャグは一世を風びした。
 また日本テレビ系の長寿番組「笑点」の3代目司会者やNHK「お笑いオンステージ」の“減点パパ”コーナー、NHK紅白歌合戦の応援団長などでも人気を博し、コント55号やザ・ドリフターズらとともにお笑い界をリード。一方では喜劇にも力を入れて活動した昭和を代表するコメディアンだった。
 二代目を襲名する伸一は子役から活動を展開。近年は自ら劇団「萬天舘」を主宰して、自ら洋物コメディーを書き下ろし、演出・出演もこなすなど実演の場で奮闘してきた。色もの演芸の拠点である東京・浅草の東洋館では父の残したコントにも数多く挑戦している。
 襲名の話は、浅草のお笑い芸人たちの推挙があって実現に至るもの。伸一は既に中村メイコをはじめ、父のコント台本を最も多く手掛けた作家・井上ひさし氏(73)や伊東らにも「周囲のお薦めもありまして…」とあいさつ回りを始めている。
 そして、12月8日に東洋館で自らが施主・座長を務めて開催する「三波伸介27回忌追善興行」の場で、観客を前に報告したい意向。発表会見は、この公演の前に行われる見通しだ。偉大なる父の名前を継承し、平成の喜劇王にと気持ちを引き締めている。

 ◆三波 伸一(みなみ・しんいち)本名澤登伸一。1964年(昭39)6月14日、東京都出身の44歳。日本大学芸術学部卒。「石坂浩二ミュージカルエンタープライズ(IME)」の1期生。86年にコメディー映画「まんだら屋の良太」で主演。98年に劇団「萬天舘」を旗揚げ。03年のNHK連続テレビ小説「てるてる家族」で、父・伸介をモデルにした役を演じ話題に。

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2008年11月11日のニュース