×

40歳ゴロフキンに限界なし!5回からリズムつかみ巧者ぶり発揮「最もビッグで最も印象に残る日」

[ 2022年4月10日 05:30 ]

WBA・IBF世界ミドル級王座統一戦12回戦   〇ゲンナジー・ゴロフキン TKO9回2分11秒 ●村田諒太 ( 2022年4月9日    さいたまスーパーアリーナ )

9R、村田(左)に左フックを見舞うゴロフキン(撮影・島崎忠彦)
Photo By スポニチ

 1万5000人の歴史の証人は「本物」の強さに衝撃を受けるしかなかった。ゴロフキンは序盤こそ村田のボディー攻撃を嫌がり、ロープを背にする場面もあった。しかし、5回からリズムをつかむと百戦錬磨の試合巧者ぶりを発揮した。

 生命線の左ジャブで防衛網を張り巡らせ、独特の軌道を描くアッパー。ガードの隙間からこじ開けるように突き刺さるパンチ。そして9回、こめかみ付近に見舞った右フック。村田を倒すには十分過ぎる戦慄(せんりつ)の一撃だった。「私の人生で最もビッグで最も印象に残る日だ。まだ実感は湧かないけどね」。リング上では新たなベルトを手にしダメージのない顔に充実の汗を光らせた。

 試合後、村田の元に駆け寄り、ガウンを着せた。「チャパン」と呼ばれる民族衣装で、母国カザフスタンでは最も尊敬する人に贈る習慣があるという。「村田はスーパー王者の名にふさわしい選手だった」。村田の強さを認めるからこその称賛だった。9月には、現スーパーミドル級の4団体統一王者サウル・“カネロ”アルバレス(31=メキシコ)とのビッグマッチも内定している。体力も精神力も衰えが始まるといわれる40歳。そのラインに足を踏み入れても、レジェンドに「限界」の文字はない。

 ◇ゲンナジー・ゴロフキン 1982年4月8日生まれ、カザフスタン出身の40歳。04年アテネ五輪銀メダル。06年5月プロデビュー。10年8月にWBAミドル級暫定王座に就いた。15年10月にIBF王者となり、世界主要3団体統一。16年9月まで世界王座17連続KO防衛。18年9月にアルバレス(メキシコ)に敗れたが、19年10月に世界王座に返り咲いた。身長1メートル79、リーチ1メートル78。右ボクサーファイター。

続きを表示

2022年4月10日のニュース