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谷口将隆、2度目の挑戦で悲願の世界王座獲得! 11回TKO勝ちに「夢じゃないかなと思っています」

[ 2021年12月14日 19:42 ]

WBO世界ミニマム級TM ウィルフレッド・メンデス・谷口将隆>11R、TKOでタイトル奪取の谷口(撮影・長久保 豊)
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 プロボクシングWBO世界ミニマム級タイトルマッチ12回戦が14日、東京・両国国技館で行われ、同級1位・谷口将隆(27=ワタナベ)は王者ウィルフレド・メンデス(25=プエルトリコ)を11ラウンドTKOで下し、2度目の挑戦で念願の世界王座を獲得した。

 2回に左のパンチでダウンを奪った谷口。6回ではメンデスがホールディングで減点、9回には接近戦からボディーを攻め続けた。迎えた11回、谷口の左が当たり、よろめいた相手に猛ラッシュを仕掛け、1分8秒、レフェリーがストップした。

 夢のベルトを手にし「僕がデビューしてから5年8カ月、ずっと追い求めてきたベルトなので、ちょっと今、夢じゃないかなと思っています。挑戦者らしく、キレイなボクシングも、格好良くなくてもいいので、きょうは勝つために戦った」と喜びを語った。

 谷口は19年2月に当時王者だったビック・サルダール(フィリピン)に挑戦も0―3で判定負け。同年8月にそのサルダールに勝って王者となったのがメンデスだった。「僕が負けたサルダールに、メンデス選手はしっかり勝ってきた。その相手に勝ち切ったので、2年前の自分よりもずっと強くなれたと、ようやく自信が持てました」と語った。

 サルダール戦は「あと一歩の勇気」をテーマに挑んだが、王者のパワーと引き出しの多さに屈した。敗戦後、「まだ世界に行ける人間じゃなかった」と話した谷口は、試合映像をテレビのハードディスクに保存し、何度も繰り返して見て自分を鼓舞。フィジカルとメンタルの強化に励んだ。再起戦後には日本王座を獲得し、初防衛にも成功。満を持して臨んだ2年10カ月ぶりの大舞台で成長を示し、ついに“世界の壁”をぶち破った。「2年前の自分に何て声をかけるか?」と問われた谷口は「自信を持っていいんだよと言い聞かせてあげたい」と笑った。

 WBA世界ライトフライ級スーパー王者・京口紘人(28=ワタナベ)とは同学年で同期入門。アマチュアからのライバルはプロデビューから1年3カ月で世界王者となり、2階級制覇を達成した。その京口以上に技術面の評価は高かったが、2017年4月に日本王座、同年11月の東洋太平洋王座に挑戦しながら失敗。故障に悩まされた時期もあり、大きく水をあけられてしまったが、「まずは彼と同じ世界王者という舞台に行きたい」と話していた通り、目標であり親友でもある京口に一歩近づいた。セコンドについてくれた京口に「勝利の女神ならぬ、勝利の男神です」と感謝した。

 「2021年、きょう今、ここで人生を変えることができたので、来年もっともっと進化してきたい。きょうは(メーンの)井上尚弥君のおまけで見てくださったと思う。来年はもっと、谷口でも見に行こうかというボクサーになりたい」と先を見据えた。

 ◇谷口 将隆(たにぐち・まさたか)1994年(平6)1月19日生まれ、神戸市出身の27歳。中1でボクシングを始め、神戸第一高ではインターハイ8強入り。龍谷大ではボクシング部主将を務め、国体で2度準優勝。アマ戦績は74戦55勝16KO19敗。16年4月プロデビュー。18年11月にWBOアジアパシフィック・ミニマム級王座、20年12月に日本同級王座を獲得。身長1メートル62、リーチ1メートル64の左ボクサーファイター。

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