×

尚弥 2年ぶり凱旋試合、日本初本格的PPV方式でライブ配信 3960円で「満足させる」

[ 2021年12月14日 05:30 ]

計量パスした井上尚弥(撮影・島崎忠彦)
Photo By スポニチ

 ダブル世界戦の前日計量が13日、横浜市内のホテルで行われ、4選手全員が一発でクリアした。WBA&IBF世界バンタム級統一王者・井上尚弥(28=大橋)は2年ぶりの凱旋試合にリミットの完璧仕上げ。国内での自身の世界戦13試合目で初めて地上波の中継がなく、本格的な課金制のペイ・パー・ビュー(PPV)方式でライブ配信される。井上は視聴権利を購入したファンへ、金額に見合う試合を届けることを約束した。

 研ぎ澄まされた肉体が仕上がりの良さを物語っていた。計量をリミットの53・5キロでパス。会見に臨んだ井上は静かな口調ながら、その言葉には自信が満ちあふれていた。

 「しっかりと力の差を見せて、その次の来春のビッグマッチに向かいたいと思うので、ここは危なげなく、いつも通り、しっかりと勝つだけです」

 2年ぶりの国内防衛戦は4団体王座統一という野望に向けての通過点であり、新たな挑戦でもある。自身初のPPV配信。国内では今年9月のWBC世界ライトフライ級タイトルマッチを含め課金制の配信はこれまでもあったが、事情は大きく違う。地上波テレビで2桁視聴率が期待できる試合を、欧米で主流の「ボクサーに高額ファイトマネーを提供するためのPPV」実施に踏み切ったからだ。

 大橋ジムの大橋秀行会長(56)によると、今回の井上のファイトマネーはラスベガス開催だった過去2戦の100万ドル(約1億1300万円)を上回る過去最高額。1試合1億円以上の興行を従来の放映権料だけで実現させるのは厳しく、今後さらなるビッグマッチが予想される井上のためにも変革は必須だった。コロナ禍での開催も含め「今回はチャレンジング」とした会長は「尚弥だからこそできるのかもしれないが、夢を与えるためにも尚弥に先鞭(せんべん)をつけてほしかった」と期待も口にした。

 販売価格は3960円。高いのでは?と指摘された井上は断言した。「見てくれたファンを満足させるだけの試合はしたい。絶対に見て良かったと思える試合をします」。ボクシング界の未来を変える使命も背負い、モンスターが両国のリングに立つ。(大内 辰祐)

 ▼ディパエン 前回はKOで勝った。今回もKOで勝つ。誰が強いかは明日リングで証明する。俺はモンスターハンターだ。(200グラム軽い53・3キロでパス)

 ▽ペイ・パー・ビュー(PPV) 1番組ごとに課金する放送方式で、主にケーブルテレビ、インターネットなどで利用される。欧米スポーツ界では広く活用されており、ボクシングでは「世紀の一戦」と呼ばれた15年5月のメイウェザー―パッキャオに460万件の申し込みがあり、視聴料収入は総額4億ドル(約452億円)を超えた。今回は「ひかりTV(午後3時45分~)」と「ABEMA(午後3時30分~)」が配信。定価は税込み4950円で、GoToイベント適用価格で3960円となる(ABEMAは独自コインを使用)。

続きを表示

この記事のフォト

2021年12月14日のニュース