ボクシングW世界一の2人が会見 坪井「引退覚悟で臨んだ」岡澤「厳密には日本勢2番手で悔しい」
ボクシングの男子世界選手権(ベオグラード)で日本史上初となる金メダルをダブルで獲得したバンタム級の坪井智也(25=自衛隊)とウエルター級の岡澤セオン(25=INSPA)が11日、オンラインで帰国会見を開いた。2人を含む代表選手団は8日に帰国してから隔離生活を送っており、岡澤は「隔離先で最初に食べたのがカップラーメンで、チャンピオンという生活ではないけど(笑い)、いろんな方から連絡をいただいて、喜んでくれているのはうれしい」と話した。
坪井は東京五輪予選代表の選考会となった19年全日本選手権決勝で本大会銅メダルの田中亮明(岐阜・中京高職)に敗れた悔しさが、日本人初快挙への原動力となった。好戦的な戦い方一辺倒で田中戦は採点が2―3と割れたこともあり、2年間かけて技術的な部分も磨き、融合させたスタイルを確立。今回は相手を分析した上で勝てるパターンを複数用意して臨んだことも功を奏し、「一時期は辞めようと思った時期もあったが、こんなところで終わったら情けない、後悔するという思いで、2年間イチから見直した。引退する覚悟も持って臨んだ大会で優勝できてうれしい」と振り返った。
岡澤は「厳密に言うと(金メダル獲得は)日本勢2番手なので悔しいが、坪井がいなかったら優勝はなかったと思うし、先の試合で常に勝ち続けていいバトンを渡してくれた。同じ世代の2人で歴史を変えられて本当にうれしかった」と感謝した。東京五輪2回戦で金メダルのロニエル・イグレシアス(キューバ)に2―3で判定負けしたが「イグレシアスと競った試合ができたのが自信になった。金メダルを取って当たり前という気持ちになっていた」という。以前から不安のあった左肩を準決勝で再び痛めたものの、「右ジャブで組み立てて勝ってきたし、試合中はアドレナリンが出て、そんなに深く考えずにできていた。隔離が終わったら本格的に治していこうと思う。競技生活に影響はない」と明かした。
2人とも今月24日から東京・墨田区総合体育館で開催される全日本選手権は欠場し、次戦は未定。坪井は今後の目標について「来年8、9月にアジア大会がある。その選考会にしっかり勝って代表に選ばれ、アジア大会で金メダルを取りたい。今回はフェイントやパンチの精度が甘い中でも優勝できたので、もっと精度を高めたい」と語り、岡澤は「アジア大会もあるけど、最終的には(24年の)パリ五輪での金メダルを目指して戦っている。今回は接戦が多かったので、もっと安心して見られるような、全部フルマークで圧勝できる選手になる」と誓った。
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