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オカダ・カズチカが7年ぶり3度目のV 3連覇狙った飯伏は大技失敗でまさかのレフェリーストップ

[ 2021年10月21日 21:50 ]

【新日本プロレスG1クライマックス優勝決定戦】7年ぶり3度目の優勝を果たしたオカダ・カズチ(新日本プロレス提供)
Photo By 提供写真

 まさか、まさかの幕切れ。飯伏のレフェリーストップでオカダが7年ぶりの戴冠。新日本プロレスの「G1クライマックス31」最終日は21日、東京・日本武道館に3861人を集めて行われ、A、B両ブロック代表による優勝決定戦ではオカダ・カズチカがレフェリーストップで飯伏幸太に勝利し、2014年以来、7年ぶり3度目の優勝を果たした。

 オカダと飯伏の一騎打ちは昨年大会の開幕戦(9・19大阪)で飯伏が勝利して以来。序盤は穏やかな展開も15分を過ぎてヒートアップした。こん身のカミゴェは返されたが、オカダのマネークリップ地獄に耐えた飯伏がトップロープからのケブラーダやレインメーカー式ハイキックなどで巻き返した直後、衝撃の結末が訪れた。

 25分過ぎ、勝負を懸けた飯伏がコーナーポスト最上段から大技フェニックス・スプラッシュを見舞うが、オカダは寸前で脱出。飯伏は自爆する形となり、顔面と右肩を激しく強打。そのまま苦悶の表情で動けなくなった。飯伏の異変をチェックしたレフェリーのレッドシューズ海野は試合続行不能と判断。終了のゴングが鳴らされ、館内は騒然となった。

 相手の負傷による勝利とあってオカダにも不完全燃焼の思いは隠せない。試合後のリング上では「レフェリーストップになってしまいましたけど、ボクは胸を張ってチャンピオンだと言いたいです。G1クライマックス31、チャンピオンはこの俺だ!」と必死にアピール。さらに新日本には飯伏との再戦を要求し「飯伏(の復帰を)を待つ間、4代目IWGPヘビーのベルト、俺にください。飯伏幸太を待つ証として、俺に預けてください。新日本プロレス、その中心として俺が盛り上げていきたいと思います。そんなオカダ・カズチカから目をそらすな!」と続けた。

 これまでは「真夏の最強決定戦」と銘打たれた大会も、東京五輪・パラリンピックとの兼ね合いもあって2年連続で秋の開催。9月18日から全国12会場、1カ月に及んだロングランとなった。終盤に訪れた季節外れの寒さも吹っ飛ばす「熱い闘い」を締めたのはオカダだった。

 しかし波乱の狂騒曲はこれで終わらなかった。G1優勝で「IWGP“世界”へビー級王座」への挑戦が現実のものとなったオカダだが、マイクアピールでこだわったのは現ベルトが統一される前の「IWGPヘビー級王座」のタイトル。同タイトルは昨年1月に内藤に奪われたというのに「挑戦?。向こう(鷹木)でしょ、挑戦するのは。だって俺ですよ、チャンピオンになったのは。だった俺(が獲ったのは)ずっとIWGPのへビー、どっちが上だと思ってんの?」と独自の見解を主張。これには実況席で見守った現王者、鷹木信悟も「何を言っているのか分からない」と怒りを通り越して呆れ顔だった。今後、団体至宝のタイトルを巡る動向には目が離せなくなった。

 ◇最終日の結果
▽タッグマッチ30分1本
永田裕志、○矢野通(8分29秒 NU2)●グレート―0―カーン、ジェフ・コブ

▽6人タッグマッチ30分1本
SHO、高橋裕二郎、○EVIL(11分20秒 体固め)●YOSHI―HASHI、石井智宏、後藤洋央紀

▽8人タッグマッチ30分1本
 ○チェーズ・オーエンズ、タンガ・ロア、タマ・トンガ、KENTA(10分41秒 体固め)タイガーマスク、●本間朋晃、真壁刀義、棚橋弘至

 ▽8人タッグマッチ30分1本
BUSHI、高橋ヒロム、SANADA、○鷹木信悟(12分17秒 片エビ固め)マスター・ワト、田口隆祐、小島聡、●天山広吉

 ▽G1クライマックス31優勝決定戦無制限1本
○オカダ・カズチカ(25分37秒 レフェリーストップ)●飯伏幸太
 ※オカダが7年ぶり3度目の優勝。

◆オカダ・カズチカ優勝への道のり
 第1戦(大阪)○棚橋弘至
 第2戦(大田区)○EVIL
 第3戦(後楽園)○YOSHI―HASHI
 第4戦(浜松)○後藤洋央紀
 第5戦(後楽園)○SANADA
第6戦(高知)○タイチ
第7戦(仙台)○チェーズ・オーエンズ
第8戦(山形)●タマ・トンガ
第9戦(日本武道館)○ジェフ・コブ
※公式戦8勝1敗
優勝決定戦(日本武道館)○飯伏幸太

 ◆最近10年の優勝者
2012 オカダ・カズチカ 
2013 内藤哲也
2014 オカダ・カズチカ
2015 棚橋弘至
2016 ケニー・オメガ
2017 内藤哲也
2018 棚橋弘至
2019 飯伏幸太
2020 飯伏幸太
2021 オカダ・カズチカ

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