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【新日本】棚橋弘至 涙で26年のレスラー人生に別れ 33分の死闘に散るも「夢見た超満員が見れました」

[ 2026年1月4日 19:30 ]

WRESTLE KINGDOM 20 in 東京ドーム ( 2026年1月4日    東京ドーム )

<新日本プロレス>10カウントゴングを聞く棚橋(撮影・島崎忠彦)
Photo By スポニチ

 “逸材”もキャリアの最後は華麗に散った。新日本プロレスは4日、「WRESTLE KINGDOM 20 in 東京ドーム」を開催。メインイベントで棚橋弘至が現役ラストマッチでAEWのオカダ・カズチカと対戦。33分の死闘の末にレインメーカーで敗れ、26年のレスラー人生に幕を下ろした。

 棚橋は、事前の宣言通り新コスチューム姿で、超満員のファンに笑顔を見せて最後の花道を歩いた。ゴングが鳴ってからも笑顔を絶やさなかった。

 序盤はオカダペースで試合が進んだ。その中で、超満員のファンは棚橋コールで背中を押した。するとフライングフォーアームで反撃開始。その後には、場外のオカダへハイフライアタックをさく裂。ファンのボルテージをさらに上げた。

 しかし花道でのツームストンドライバー、レインメーカーを被弾するなどオカダのペースは変わらなかった。苦しい棚橋を助けたのは、“新闘魂三銃士”の技だった。棚橋はスリーパーを仕掛けると、そのままロープに走って柴田勝頼の必殺技であるPKを打ち込んだ。さらにはたぎって、中邑真輔の必殺技であるボマイェを叩き込んだ。その後にはハイフライフローを決めた。さらに背後へのハイフライフロー。再びコーナーにのぼって、正調ハイフライフローを狙ったが剣山をくらった。

 最後はオカダのダイビングエルボードロップから完璧なレインメーカーに敗れた。

 試合後には思いがあふれ涙。勝利したオカダは「ありがとうございました!」と一礼してリングを降りた。

 引退セレモニー後にマイクを持った棚橋は「僕が新日本プロレスで夢見た超満員が見れました。ありがとうございました」と再び涙を流した

 「きょう僕は引退しましたが、これからも新日本プロレスの選手は全力で戦っていくので、皆さん応援よろしくお願いします!」とメッセージを送った。

 そして“代名詞”のエアギターを3連発で披露。ファンにウェーブをお願いして、最後は涙の10カウントが鳴り響いて、現役最後のリングコールを受けた。

 その後はゴンドラに乗って会場を1周してファンにあいさつ。入場ゲートに戻ってくると「僕の中で確信できたことがあります。プロレスを好きになってよかったです。26年間、最高のレスラー人生を送れたのはファンの皆さんのおかげです」と再び涙を流した。

 最後は「完全燃焼やり切りました。最後に東京ドームの皆さん愛してま~~す!」とファンへ叫んだ。

 東京ドームから姿が消えると、会場に棚橋の旧テーマ曲「HIGH ENERGY」が鳴り響いて、スクリーンには棚橋の名場面が流れた。

 平成のプロレスを彩った「100年に一人の逸材」が終焉(しゅうえん)を迎えた。

 99年4月に新日本プロレスに入団し、同年10月10日に真壁伸也(現:真壁刀義)を相手にプロデビュー。総合格闘技(PRIDE・K-1)人気全盛期となった2000年代に新日本プロレスを支えた1人だった。06年7月にはブロック・レスナーが保持していたIWGPヘビー級王座に挑戦予定だったものの、試合2日前にレスナーが契約トラブルで来日不能となりタイトルマッチが中止に。同年7月17日の札幌大会で急遽開催されたIWGPヘビー級新王者決定トーナメントを制して、悲願のIWGPヘビー級初戴冠を果たした。多事多難の中で、ようやく手にしたベルトを腰に巻くと、ファンに涙ながらで「愛してます!」と絶叫。棚橋の決めゼリフ誕生の瞬間だった。

 その後も新日本のトップ選手として走り続けた。11年1月4日の東京ドーム大会で小島聡を破って5度目のIWGPヘビー級王座を獲得。「もう一度、これからのプロレス界をオレに任せてください!」という言葉の通り、快進撃を続けて当時の最多防衛記録を塗り替える11度目の防衛に成功。キャリアを通じてIWGPヘビー級を8度戴冠した。

 そして24年10月の両国大会で行われたデビュー25周年試合後に現役引退を発表。25年は引退ロードを駆け抜けた。注目を集めた棚橋の現役ラストマッチは、かつてのライバルだったオカダ。棚橋VSオカダといえば、12年2月12日、海外修行から凱旋後間もない24歳のオカダがIWGPヘビー級王者の棚橋に初挑戦し、戦前の予想を覆して新王者になった。“レインメーカーショック”と呼ばれる歴史的な出来事だった。そこから“ACE”棚橋と“レインメーカー”オカダのストーリーが、新日本のリングを盛り上げた。

 24年1月末で新日本を退団したオカダ。同年2月の大阪で実現した17度目のシングルマッチ。過去の棚橋VSオカダ戦がプレーバックするような場面が何度もあり、最後はオカダが中邑真輔の得意技だったランドスライドのようなドライバーから、必殺技レインメーカーを決めて棚橋に勝利した。試合後には感極まって涙が止まらなかった。その後、オカダは米団体「AEW」に移籍した。

 両者のシングルマッチ成績は棚橋の5勝9敗3分。東京ドームでのシングルマッチは、棚橋の2勝1敗という結果が残っている。しかしここ4度のシングルマッチは、棚橋の4連敗。10年ぶりの東京ドーム決戦でも白星を飾れなかったが、マットを明るく照らし続けた“新日本の太陽”が、第二の人生に向けて歩き出す。

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