【センバツ】大阪桐蔭の「新怪物」2年生左腕、背番号10の川本晴大が完封14K

[ 2026年3月25日 05:00 ]

第98回選抜高校野球大会第6日 1回戦   大阪桐蔭4―0熊本工 ( 2026年3月24日    甲子園 )

<熊本工・大阪桐蔭>力投する大阪桐蔭先発の川本(撮影・松永 柊斗)
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 1回戦最後の一戦は、大阪桐蔭が熊本工を4―0で下して初戦を突破した。背番号10の川本晴大投手(2年)が被安打3の完封劇で貢献した。選抜大会での14奪三振は同校では23年前田悠伍(2回戦・敦賀気比戦)に並ぶ最多で、同校2年生が完封勝利を挙げたのは初めて。好選手を輩出し続ける名門に現れた1メートル92の「新怪物」が衝撃の甲子園デビューを飾った。

 この怪物が背番10で2年生なのだから、大阪桐蔭、恐るべし――。「今日は球が走っていました」。初の甲子園で14奪三振の完封劇。川本はひたすら直球で押す強烈な内容で名を知らしめた。

 全150球のうち直球は123球。先発投手では驚異の82%を占めた。14奪三振中、直球で仕留めたのは11個。球速は球場表示で自己最速を1キロ更新する147キロを計測し、ネット裏で視察したNPBスカウトのスピードガンでは151キロまで上がった。

 今秋ドラフト候補の吉岡貫介(3年)を差し置いて与えられた先発だった。6回2死で左前打を許すまで無安打投球。「ここまで投げたことがないので疲れました…」。練習試合でも最長7回しか投げたことがない未完の大器。聖地で花開き、巨人の榑松伸介スカウトディレクターを「今年の高校3年生の中でも上位候補。順調にいけば、凄い投手になる」と驚かせた。

 小3の頃、甲子園のテレビ中継を見て母・絵梨さん(37)に伝えた。「この高校に行きたい!」。埼玉出身でも心奪われたのは18年に甲子園春夏連覇を達成した大阪桐蔭だった。それから、同校のユニホームカラーである「えんじ色」の服を選ぶようになった。

 夢見てきた高校に進学。想像以上に厳しい練習環境が待っていた。寮生活に不慣れだった最初の数カ月は両親に電話をかけなかった。「声を聞いたら帰りたくなる。だから電話しなかったんだよ」。心配をかけた両親には、心が落ち着いてから連絡を入れた。

 西谷浩一監督からは「どんな時も全力で自分の球を投げなさい」と求められてきた。大一番で冷静さを失う性格を担任として知っているからこその助言。初回に緊張で球が浮く姿を見て、笑顔で声をかけられた。「球が荒れるのは仕方ないから、それを生かせばいい」。落ち着きを取り戻し、根尾昂(中日)や前田悠伍(ソフトバンク)らもなかった2年春での完封を同校で初めて達成した。

 「小さい頃から目標だった高校で先発までさせてもらい、楽しかったです」。昨年甲子園を逃した絶対王者が、「怪物2年生」を擁して聖地に戻ってきた。 (河合 洋介)

 ○…大阪桐蔭の川本が完封勝利。同校投手が選抜で完封勝利を挙げたのは、91年和田友貴彦(仙台育英戦)、15年田中誠也(東海大菅生戦)に続く3度目で、2年生では初。

 ○…2年生投手が選抜で「14奪三振以上&完封勝利」を同時達成したのは、72年専大北上(岩手)の畠山司が花園(京都)との1回戦で15奪三振完封勝利を挙げて以来54年ぶり。

 ◇川本 晴大(かわもと・はると)2009年(平21)9月9日生まれ、埼玉県飯能市出身の16歳。小1から泉ホワイトイーグルスで野球を始めて投手。中学では武蔵嵐山ボーイズに入団し、東京城南ボーイズに転籍。大阪桐蔭では1年秋から背番号11でベンチ入りし、今春選抜では背番号10で甲子園初出場。50メートル走6秒8。1メートル92、95キロ。左投げ左打ち。

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