【検証侍ジャパン(3)】ピッチクロック採用見送りガラパゴス化?ロボット審判…広かる世界との差

[ 2026年3月19日 04:30 ]

WBC準々決勝ベネズエラ戦でアイアトン氏(左)にピッチコムをつけてもらう伊藤(撮影・木村 揚輔)
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 【検証侍ジャパン~届かなかった連覇~(3)】日本代表は昨年11月、スポットの強化試合前としては極めて異例の宮崎合宿を国内組だけで開催した。NPBにはない「ピッチクロック」、サイン交換機器「ピッチコム」対策だった。同機器を見ることすら初めての選手ばかりで「操作が難しい。慣れないと大変」と声をそろえた。

 MLBは23年に導入して3シーズンが経過。国際大会はMLBのルールに沿って開催される。今大会から導入されたピッチクロックを採用していないのは、主要国では日本だけ。NPBも榊原定征コミッショナーがかじを取り、23年7月から導入を検討してきた。だが、日本球界では球場飲食やグッズ販売に収益を頼る面もあり、球場に観客が長く滞在することを望む球団が固辞。打者と投手の「間」を大切にする文化があるという建前で、導入は見送られてきた。

 2月の合宿では報道陣に「非公開」でダルビッシュが助言した。試合を除く練習日7日間の中で、3日も対策に割いた。多くの時間を費やしたが、準々決勝では伊藤がピッチクロック違反でカウントを悪くして2連打。続く打者に決勝の3ランを浴びた。

 大リーグは今季から通称「ロボット審判」、自動ボール・ストライク(ABS)チャレンジシステムを導入する。28年のロサンゼルス五輪でも採用されることは確実だが、NPBでは本格議論すらない。韓国プロ野球はMLBに先んじて、24年からロボット審判を全面導入している。

 「高めは広い。低めは狭い」ストライクゾーンの違いにも苦しんだ。普段低めに集める日本投手陣は「高めをどう使うか」に取り組んだが、準々決勝で隅田、伊藤が浴びた本塁打はいずれも中途半端に高い直球をはじき返された。ワールドシリーズ制覇の経験を持つベネズエラの主将で捕手のペレスは、日本の打者がボール球と思って手を出さない高めの球をうまく使った。その差は大きかった。

 延長に入れば行われた「タイブレーク」も、NPBでは昨年2軍で採用されたが、1軍では今季も導入されなかった。来年開始するセ・リーグのDH制を含めて、新たなルールづくりのスピードが遅い。日本野球が「ガラパゴス化」すれば、世界標準からどんどん取り残されていく。(WBC取材班)

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