【内田雅也の追球】「言い訳」無用の追い込み

[ 2026年2月20日 08:00 ]

<阪神宜野座キャンプ> フライを声を掛け合って追うディベイニー(左)と百崎(撮影・大森 寛明)
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 沖縄・宜野座の阪神キャンプ施設にツバメがやって来た。つがいだろう。2羽が猛スピードでドーム上空を飛び交う。ブルペン横の建物のすき間に巣を作り始めた。

 宜野座でツバメを初めて見たのは一昨年だった。取材メモによると過去2年の「ツバメ飛来」はともに2月26日。今年は1週間早いことになる。

 「いい天気が続きましたからね」とグラウンド整備を担当する阪神園芸甲子園施設部長の金沢健児が言った。南の島にいたツバメ夫婦は今年の沖縄は暖かいことを知っていたのだろう。

 「今年はシートを敷いたのは2月1日だけ。それも水はけがやや悪いサブグラウンドだけでした。あとは降っても練習はできる程度の雨でしたから」。好天続きだったキャンプを振り返る。

 ツバメがやって来るとキャンプも終盤という感覚になる。やり残したことはないか。最後の追い込みの時期である。第4クール最終日だった。

 だからだろう。「言い訳を作りたくないんですよ」と外野守備兼走塁チーフコーチの筒井壮が言った。「もう、あと何日も練習できません。甲子園に帰っても練習時間は限られます。あらゆる状況を想定した練習をしておきたいんです」。あす21日からの最終クールはオープン戦3連戦の後、25日には打ち上げる。

 午前の「想定ノック」は状況を設定しての連係守備練習だった。不思議に感じたのは1死満塁想定で上げていた凡飛である。普通はインフィールドフライで打者アウトだ。ただ、筒井が打ち上げたのは内外野の中間点。審判員がインフィールドフライを宣告しないようなフライだった。

 処理する野手は「ガリ」(Got it)を連呼していた。昨年までの「OK」から変えた。遊撃手に加わった新外国人キャム・ディベイニーにも通じるようにしたのだろう。1975年(昭50)、阪急(現オリックス)の二塁手にボビー・マルカーノが入り、声を「ガリ」に変えたと大熊忠義が話していた。

 個別練習では外野手4人に「100本連続ノーエラー」と「精神的重圧」をかけた。「サブの芝生は結構イレギュラーもある。追い込まれた状況にしたかった」。これまでも逆光で打球が太陽光と重なる状況や、強風下での練習もこなした。

 ぬかりはないか。ツバメは最後の引き締めを伝えていた。 =敬称略= (編集委員)

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