「ドーム開催」も「夏回避」も的外れ?7回制の議論を深めるために…整理すべき前提と伝える側の姿勢

[ 2026年1月28日 07:10 ]

阪神甲子園球場
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 今年に入り、高校野球の指導者から「9回制を守れるなら甲子園でなくてもいい」との意見を伝えられることが増えた。7回制を議論してきた検討会議が昨年12月に「採用が望まれる」と結論づけたことで、7回制実施が現実味を帯びてきたからだ。「開催時期を夏から秋にずらせばいい」との声も多い。しかし、この主張では7回制導入を止めることはできない。7回制の論点から外れているためだ。

 熱中症対策として甲子園球場ではなく京セラドームなど屋内球場で開催すれば、9回制を維持できるとの意見がある。しかし大前提として、7回制は8月に開催される全国大会のために議論しているわけではない。主に7月に開幕する地方大会の酷暑対策も兼ねている。つまり、8月の甲子園開催をドーム球場に変更したところで、地方大会が屋外開催である以上、7回制導入の可否に影響がないのだ。7回制阻止のための代案として代表的な「ドーム開催」は有効な意見とは言えない。

 酷暑対策ならば、開催時期を変更すれば解決するとの意見もある。しかし、春の選抜大会と夏の甲子園大会の時期は変えられないと断言していい。この2つの全国大会は、春休みと夏休みの長期休暇中に開催されるべきと日本高野連が考えているからだ。甲子園出場校は2、3週間程度、大会に拘束される可能性がある。長期休暇以外で開催すれば、それだけの長期間、授業を受けられない。高校野球が部活動である以上、その状況が認められることはないだろう。
 現場でよく耳にするこれらの意見以外にも、反対派は7回制を阻止するために策を練っている。しかし、理論武装ができている日本高野連を思いとどまらせるほどの一手が見つからないのが現状だ。

 ただし、「7回制断固拒否」との感情論も尊重されるべきだという点は強調したい。大阪桐蔭(大阪)の西谷浩一監督をはじめとした指導者が、覚悟の上で反対の立場を表明してきた。日本高野連は、これらの意見に真剣に耳を傾けなければ、両者の溝は深まる一方だ。

 ある都道府県高野連では、来月に7回制の勉強会を開く予定だと言う。このような議論が、互いの主張を理解する重要な機会になるに違いない。現在、衆院解散による論戦で各党が連日主張を繰り返して賛同を得ようとしているように、日本高野連関係者にも7回制に踏み切ろうとする背景が伝わるまで加盟校などにアプローチする姿勢が求められている。どのような結論になろうと、反対派の拒絶反応を放置したまま決断の時を迎えてはならない。(記者コラム・河合 洋介)

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