【新監督インタビュー】ヤクルト・池山監督 今季12球団監督最年長60歳 猛烈追い込んで逆襲だ
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ヤクルトの池山隆寛新監督(60)が、スポーツニッポン新聞社の新春インタビューに応じた。60歳で念願だった1軍の指揮を執ることになり、対話重視で明るく元気なチームづくりを掲げる。今年は午(うま)年で、「ブンブン丸」を愛称とした現役時代から大の競馬ファン。好きな追い込み馬に自らを重ね合わせ、昨季最下位から剛脚でライバルたちを一気に抜き去る逆襲劇を思い描いた。(聞き手・重光 晋太郎)
――1軍監督として迎える26年がスタートした。
「神宮球場に戻れることが一番うれしい。満員の中で戦うことを想像するとワクワクする。ファンの皆さんと一緒に戦っていくので、これまで以上のご声援をお願いします!」
――改めて監督就任までの経緯を。
「お話を頂いた時に即決ですよ。なりたくてもなれない職業。ずっとやりたかった仕事でもあったので。林田哲哉球団社長の“スワローズを元気にしてくれ”という一言から始まった。それが自分に与えられた役目だと思っている」
――いつから1軍監督を志した?
「02年に現役のユニホームを脱いだ時から。そこから随分と時間はかかった分だけ、自分も成長してきたと思う。そういう時間を与えられたことは凄くありがたかった。これからも選手と一緒に成長していければ」
――現在60歳。コーチとして十分な準備期間があった。
「そういう期間だったと思いたい。節目の還暦で1軍監督の仕事を与えてもらったことは、言葉でも表せないぐらい幸せ。池山隆寛の人生の中で凄い出来事だと思っている」
――同学年の古田敦也氏、吉井理人氏、与田剛氏、渡辺久信氏が先に1軍監督を務めた。
「うらやましいなという目で見ていた。古田監督の時、僕は楽天で打撃コーチとして戦っていて、神宮球場でガトームソン投手にノーヒットノーランをやられた(06年5月25日)という悔しい思い出もあるしね」
――今季の12球団では最年長監督だからこそ出せる味がある。
「2軍監督の6年間は、若い選手を育成した時間だった。失敗もありながら成功に導くのが野球。今は失敗が多いからこそ、1軍がこの順位になっているんだと思う」
――恩師・野村克也さんから指導者としても大きな影響を受けた。
「教え子で(指導者として)ユニホームを着ている人たちが野村さんの残した“人”だと思う。私もいろんな監督を見てきて一緒に戦ってきた。人それぞれカラーがあると思うので、大事な部分はしっかりと頂きながら、自分のカラーに染めていきたい」
――テーマには「元気、対話、笑顔」を掲げる。
「自分たちが楽しむことが元気や笑顔に変わってくるんだと思う。野球という難しいスポーツをやっているので、できるだけ簡単にシンプルに考えていかないと。行き詰まった時は“何でも言ってね”という形にしておかないと」
――理想のリーダー像は。
「成功した人を振り返った時に“理想のリーダー”だと思われるわけで。僕は今、リーダーになったばかりだから」
――今年は午年。野村監督は就任1年目の1990年が午年で、60歳だった95年にはリーグ優勝&日本一に導いた。
「そうだったの?ご縁だらけですよ。それが野村監督の偉大さを物語っているんじゃないかな」
――午年は「前に進む年」とされる。前進するために大切なものは。
「まだ結果は出ていないけど、元気で明るく、というのがまずは優先。そこが一番だと思っている」
――競馬ファンだ。
「現役時代からね。好きだった馬はトウカイテイオーとかヒシアマゾンとか。競馬は第4コーナーだと思っていて。前にいる馬が勝つ時もあるけど、後方待機から一気に抜く馬が好きでね」
――昨季は最下位。ヤクルトは最後方にいる追い込み馬か。
「そうね。でも、最後方から抜いてくる馬が好きだから。カッコいいじゃない」
――リードされていても、試合の終盤に点を取ってひっくり返す豪快な野球も楽しい。
「それはそうね。だって打ち勝ちたいんだもん。自分も経験しているけど、一振りで点が入るのが野球の醍醐味(だいごみ)でもあるから」
◇池山 隆寛(いけやま・たかひろ)1965年(昭40)12月17日生まれ、兵庫県出身の60歳。市尼崎から83年ドラフト2位でヤクルト入団。豪快なスイングから「ブンブン丸」の愛称でファンから絶大な人気を誇り、90年代の黄金期を支えた。通算成績は1784試合で打率・262、304本塁打、898打点、108盗塁。02年の現役引退後は楽天とヤクルトで打撃コーチなどを歴任し、20年からヤクルト2軍監督。1メートル83、75キロ。
【取材後記】現役時代は「ブンブン丸」が愛称だったようにプレーは豪快。一方、人柄は柔和で誰からも愛される陽気な“関西のおっちゃん”だ。多くの球団関係者が池山監督を語るとき「気配り」や「目配り」という言葉を用いる。
「ノムラの教え」の薫陶を受けた教え子だけあって、野球観は論理的思考に基づいている。趣味の一つである将棋はかなりの腕前だとか。「父親の影響で覚えたんだよ」。現役時代は選手同士でクラブハウスでの息抜きで楽しんでいたそうで「古田が将棋会館で将棋盤と駒をもらってきて。トーナメントを組んでやっていた。新聞に載っていた“3手詰め”や“5手詰め”の将棋を見たりしてね。先を読むというか」と懐かしんだ。
4番とエースが未確定。再建という困難なミッションを背負い、将来を見据えながらどんなチームをつくり上げるのか楽しみだ。 (重光 晋太郎)
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