ドラフトこぼれ話…指名の採点は無意味?横浜阿部葉太の大人すぎる進路選択、グッドガイな石川ケニー

[ 2025年11月2日 07:15 ]

東京・グランドプリンスホテル新高輪で行われた2025年のドラフト会議
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 「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」が10月23日に行われ、多くの若者がプロ入りへの扉を開いた。今年もスポニチのアマチュア野球取材班は昼夜を問わず準備作業に追われる日々を駆け抜けた。目が回るような毎日で記者が感じたことをコラムとして残しておきたい。

 (1)指名された全選手が好素材
 記者は11年から16年までNPB審判員を務めた。2軍には毎年、ドラフト指名された新顔たちがやってきた。卓越したバットコントロールを持ち「コイツは首位打者を獲れる」と思わせた広島の内野手が約5年後には戦力外になったり、試合ではまともに外野まで打球を飛ばせなかった非力打者がWBC戦士になったりした。後者は当時、ソフトバンクの育成選手だった甲斐と牧原。だから、ドラフトが終わった直後、各球団の指名に点数をつけることは不毛だと思っている。プロに入る選手全員に輝く素質がある。そして、指名当時の補強ポイントに一致しなくても球団に栄光をもたらした選手は数多くいる。

 (2)「ドラフト当日はどこに?」
 運命の日が迫ると、取材先から何度も聞かれた。「ドラフト当日はどこで取材するんですか?」。答えは会社。アマチュア野球担当キャップはドラフトの動きを俯瞰(ふかん)して見なければならないため、会社でTVを視聴しながら「穴」を埋める作業をする。サプライズ指名への対応も仕事の1つ。オリックスに6位指名されたジョージア大の二刀流左腕・石川ケニー投手、Hondaの左腕・片山皓心投手らが指名を受けると電話取材を敢行。米国の現地は午前6時で寝起きだった石川の第一声は「ご無沙汰しています」。急きょ、インスタグラムでコンタクトを取ったが、明秀学園日立(茨城)時代に取材したことを覚えてくれていた。Hondaの片山は社会人野球の1年目、初の公式戦となるJABA東京スポニチ大会で快投を披露した左腕。その後、故障した影響で26歳での指名となったが実力は間違いなし。オールドルーキーの新人王獲得に期待したい。

 (3)プロ志望届を出さなかった逸材たち
 今春の選抜で優勝に導いた横浜(神奈川)の阿部葉太外野手(3年)はプロ志望届を提出せずに大学進学を選んだ。ドラフト1位指名も狙える状況でなぜ進学を選択したのか、尋ねると「高校に入る段階で決めていた。人生において大学で学んでみたい」。野球は人生を学ぶ上でのツールの1つとして捉える大人の価値観だった。健大高崎(群馬)の左腕・下重賢慎(3年)も進学を選んだ逸材の1人。チームメートの石垣元気(ロッテ1位)、佐藤龍月(オリックス3位)は高卒プロを選んだが、下重は東都大学野球リーグの名門で腕を磨くことを決意。来春のリーグ戦に照準を合わせて調整に励んでいる。大学進学を選んだ逸材たちの成長曲線にも注目だ。

 今年も数々のドラマを生まれた運命の日。26年ドラフト戦線は既に動き出している。(記者コラム・柳内 遼平)

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