プロ入りを目指し「留年」を選択する韓国の一部球児 指導者が小中学生に「遠回り」勧めることも

[ 2025年9月16日 11:00 ]

U-18 野球ワールドカップの韓国代表チーム(WBSC提供)
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 【室井昌也コラム 月に2回は韓情移入】

 今月14日まで行われた「ラグザスpresents 第32回WBSC U―18野球ワールドカップ」で韓国代表は4位で大会を終えた。メンバー20人のうち18人の高校3年生には17日に行われる「2026KBO新人ドラフト」が目前に迫っている。

 「U―18(アンダー18)」は文字通り18歳以下が参加資格の大会。一方で韓国の高3野球部員には19歳以上の選手も在籍し、試合に出場している。それは「留年」している選手が珍しくないからだ。「韓国は日本と異なり、試合や大会出場時の選手登録に年齢制限はない」と関係者は話す。

 留年の最も多い理由が負傷、故障。投手の場合、高3を前に肘の「トミー・ジョン手術」を受けドラフト指名を待つと下位指名または指名回避の可能性がある。そのため1年留年し完治した状態で高3を迎え、試合で結果を残してドラフトに備えるという選択だ。今年ドラフト1ラウンドでLGツインズ入りした金映祐(キム・ヨンウ、2005年生)がこれにあたる。

 その他には「成長に期待」というパターンだ。小学校高学年や中学に入ってから野球を始め、「同学年には劣るが1年長く育てればプロ指名もあり得る」と指導者が判断した場合、選手に小、中学校での留年を勧めるという。

 ある小学生の保護者は「監督から“野球を始めたのが他の子よりも遅いから留年したらどうか”と言われた」という。子供にとって1学年の差は大きく、友達関係など難しそうだが保護者は監督の提案を受け入れるべきか悩んでいる。

 現在KBOリーグで活躍する選手の中にも具滋ウク(ク・ジャウク=サムスン)、朴珉宇(パク・ミンウ)、金揮執(キム・フィジプ=いずれもNC)らが留年組。かつては様々な事情で留年するケースが今よりも多く、現職監督の中にも留年経験者が数人いる。しかし「遠回り」がプロ入りに直結とは限らず、指名されない選手も少なくない。

 韓国の高3野球部員は1256人(9月15日現在)。そのうち約74%の930人がプロ志望届を提出した。韓国の高校球児の大半がプロ入りを目的に野球をしていることがわかる。17日の新人ドラフトでは10球団計110人が指名される。

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